人的補償で加入、広島19歳逸材の“可能性” 本人「全く駄目」でも…コーチ絶賛のワケ
広島の新戦力・日高暖己が巨人2軍との練習試合で先発し3回2失点
広島2軍は18日、サンマリンスタジアム宮崎で巨人2軍と練習試合を行った。この試合、オリックスにFA移籍した西川龍馬外野手の人的補償選手として加入した日高暖己(ひだか・あつみ)投手が先発。移籍後初の対外試合で3回2失点の投球をみせ、ポテンシャルの高さを示した。
ユニホームが紺から赤に変わって初めての試合。19歳右腕は「緊張はありました」と言うものの、初回を3者凡退と堂々の立ち上がり。2回も4番に入ったフリアン・ティマ外野手を3球三振に仕留めた。初安打を許してからは走者を背負う投球が続き2点を失ったが、10代とは思えない落ち着きのある投球を披露した。
投球を見守った横山竜士2軍投手コーチも「いいものを見せてくれた。ランナーを出しても落ち着いて投げていたし、全ての球種でストライクがとれていた。高卒2年目であれだけ投げることができたら上出来」と評価した。
ただ、本人は「全く駄目。点数もつけられないほどの内容でした。自分のしたいことが全然できなくて、納得のいくボールもありませんでした」と反省しきり。課題は力のある球を投げるための体重移動。クイックで投げる場面では抜け球も見られ、課題解消の手応えをつかむことができなかったと悔やんだ。
日高にとっては不本意な初登板となったが、「良いボールを投げていた。今後が楽しみな投手」と横山コーチが明かしたように周囲に与えたインパクトは大きい。「徐々にイニング数も増やしていければ。セ・リーグは投手も打席に立つので、実戦の中で試合のリズムをつかんでいってほしい」と今後も先発として育てていくつもりだ。
オリックスに在籍した昨季は2軍で12試合に登板し1勝1敗、防御率3.15。1軍登板はゼロだったが、ドジャースに移籍した山本由伸投手に似たフォームから繰り出す力強い球は評価が高かった。広島には2022ドラフト1位の斉藤優汰投手など、同学年に刺激を受ける逸材が多い。19歳の日高が新天地でどんな成長を見せてくれるか、才能を開花させる日が待ち遠しい。
(真田一平 / Ippei Sanada)