貢献度No.1も西武退団「戻れたらと思った」 “優良助っ人”が吐露した韓国行きの背景
昨季西武に所属したマキノンは韓国サムスンに入団、現在は沖縄でキャンプ中
昨季西武でプレーしたデビッド・マキノン内野手は、韓国KBOのサムスンに入団した。現在は沖縄県内で春季キャンプ中。再び日本の地に降り立った“優良助っ人”が、韓国行きを決めた理由や、西武での思い出を語った。
「NPBでFA市場を試したが、契約に至らなかった。戻れたらと思ったが、金額面で折り合いがつかなかったのは残念なことだ。交渉の末にそういうこと(KBO行き)になったが、この機会に興奮している」
マキノンは昨季、127試合に出場して打率.259、ともにチーム2位の15本塁打、50打点をマーク。プロ野球の分析を行う株式会社DELTAのデータによると、WARはヤクルトのサンタナと並んで助っ人野手最高の「2.1」だった。また守備でもリーグトップのUZR「6.5」を記録。しかし、西武のユニホームを1年で脱ぐことになった。
「昨年の感想は……短かったね(笑)。だが外国人(選手)の1年目にしては、結構いいシーズンを送ることができたと思う。もう少し出来たとも思うけれどね。もしNPBでもう一度プレーするチャンスをもらえたら、一部の投手は再び見ることになるわけだから、もう少し成功できるんじゃないかな。でも1年目としては良かったと思う。残念ながらそれが最後の年になってしまったけれど、KBOリーグでプレーするのを楽しみにしている」
胸元の文字は「Lions」で青色ユニ「おもしろいよね。ほとんど同じ」
西武ライオンズからサムスンライオンズへ――。ユニホームの胸に書かれた「Lions」も、青色のユニホームも一緒だ。「ちょっとおもしろいよね。(ユニホームも)ほとんど同じ、西武の方が少し濃い青だけどね」と笑った。
日本で、そして西武で過ごした思い出は、マキノンにとってかけがえのないものとなった。「素晴らしい時間だった。チームメートたちもコーチ陣も大好きだった。昨年は楽しかった。楽しんだよ」。そう繰り返しながら、ちょっとだけ寂しそうな表情も見せた。
「(NPBでは)どの球場でもファンの盛大な声援、(ファンが)試合にのめり込んでいる雰囲気を楽しんだ。ライオンズファンの前でプレーするのはとても楽しかった。彼らの前でプレーするのも、試合後サインを求めてきたり写真を撮ったりするのも楽しかった。その部分がなくなるのと、ライオンズファンからの応援がなくなるのはさみしくなるね」
大谷翔平投手とともにプレーしたエンゼルス、昨季の西武を経て、29歳で挑む3か国目の挑戦に「今のチームメートは大好きだよ。みんな最高だ。僕が打撃と守備で手を貸せそうな若手が何人かいる」。新天地でも、胸にあるのは“ライオンズ愛”だ。
(町田利衣 / Rie Machida)