「なんだかショックです」 大谷仲良し左腕も実感…エ軍クラブハウスが「ガラガラだ」

エンゼルスのパトリック・サンドバル【写真:小谷真弥】
エンゼルスのパトリック・サンドバル【写真:小谷真弥】

昨年キャンプは常時50人以上→今年は10人足らず、サンドバル「ここはとても静かだ」

 隣の話し声が聞こえてくる。エンゼルスの静かなクラブハウスが、大谷翔平投手のFA流出を実感させた。大の仲良しで知られるパトリック・サンドバル投手は「ガラガラだね。うん。なんだかショックですね。みんながいないと、ここはとても静かだ。うん」と、噛み締めるように言葉をつないだ。

 大谷が10年総額7億ドル(約1050億円)の超大型契約でドジャースへ移籍。左腕はもちろん残留を望んでいたが、メジャーリーガーとして避けては通れないことと受け止めている。「メジャーリーガーのゴールは自分がプレーしたい場所でプレーすること。出来る限り多くのオファーを得て、全員の意見を聞き、最終的にベストな決断をすることなんだ」。勝てるチームを求めた二刀流の決断には理解を示しつつも、本音はショックでたまらなかったようだ。

「ショウヘイと会話するだけでも、とても楽しかった。日常的に交わしている普通の会話も。野球に関することはそれほど多くはなかったけど、これが私たちが築いた友情なんだ。ショウヘイはいいチームメートだったよ」。大谷のドジャース移籍決定後に「僕が一番恋しいのは君の通訳だよ」と水原一平通訳との別れを惜しんだが、これも照れ隠し。実感を込めて振り返った。

 昨年キャンプでは常時50人以上の報道陣が詰めかけていた。だが、トラウトら野手陣が合流した19日(日本時間20日)の全体キャンプ初日は7人。2日目の20日(同21日)は記者を含めて9人だった。ペリー・ミナシアンGMから「今日は何をして来たの? ショウヘイはここにはいないよ」と話しかけてきたが、その笑顔もどこか虚しかった。だが、巻き返しを期すシーズンはもう始まっている。

 大谷のいるドジャースとは公式戦4試合が組まれている。サンドバルは「ナックルボールだ。今、ナックルを練習しているんだ」と打者・大谷封じへ並々ならぬ意欲を燃やした。ユニコーンでも実現できなかった「エンゼルスで勝ちたい」を実現させる。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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