DeNAドラ1は「能力の高さを証明」 長打以外にも…専門家絶賛の打席での“意図”
ドラフト1位ルーキー・度会隆輝が「1番・右翼」で出場し3打数1安打の活躍
3球団競合の逸材が存在感を見せた。DeNAのドラフト1位・度会隆輝外野手が22日、広島との練習試合(コザ)に「1番・右翼」で出場し2試合連続安打を放った。走者を置いた場面で放った“好打”に現役時代にヤクルト、日本ハムなど4球団で捕手として活躍した野球評論家・野口寿浩氏は「非常に意図を感じる打席だった」と絶賛した。
ルーキーながら経験値の高さを見せつけた。3回1死一塁の第2打席、カウント2ボールからの3球目。広島・アドゥワ誠が投じた内角低めの直球を強振すると打球は一、二塁間を抜けていった。一、三塁とチャンスを拡大し、続く関根の右前適時打を演出した。
18日のロッテとの練習試合(宜野湾)で対外試合初安打を放ち、徐々に調子を上げるドラ1に野口氏は「打席で何が必要かを把握している。アウトコース2球を見極め、投手がストライクを取りに来たところを引っ張り走者を進めた。社会人で揉まれた能力の高さを証明した」。長打力だけでなく状況に応じた打撃に目を細めていた。
ここまでの実戦は主に1番、3番で起用されている。この日は中軸にオースティン、牧秀悟、佐野恵太と開幕を見据えた並び。走攻守で高い能力を誇る度会の適正打順については「このまま結果を残していけば1、2番での起用は面白い。長打もあり繋ぎの打撃もできる。彼が塁をかき回すことができれば確実に得点能力は上がる」と指摘する。
ドラフト2位・変則サイド右腕の松本は2回を完全投球「恐怖心、威圧感を感じる」
期待のルーキーは度会だけじゃない。この日、6回から3番手で登板した同2位・松本凌人投手は2回を投げ無安打無失点2奪三振の完全投球を披露。変則右サイドから140キロ後半の直球にスライダー、カットボールで広島打線を沈黙させた。
左打者も苦にしない投球内容に野口氏は「あのフォームに打者は恐怖心、威圧感を感じる。そこに、あれだけの球威があり、ストライクゾーンに投げ込む制球力もある。自滅する感じはなく、現段階では1イニングを任せられる投手」と、開幕1軍入りに太鼓判を押す。
「これまでもDeNAは即戦力で獲得する大卒、社会人が早くから結果を残す土壌があります。投手なら今永、東、浜口、伊勢、打者なら牧、佐野、宮崎ら挙げればキリがない。度会、松本もこの流れに続ける素材であることは間違いない。ドラフト4位の石上(泰輝)も遊撃争いで面白い存在になりそうです」
昨季は2年連続Aクラスの3位となったが、今季はエース・今永昇太がメジャー移籍、10勝を挙げたトレバー・バウアーも去就未定で戦力低下が懸念される。上位争いには先発陣の奮起は必要不可欠だが、期待の新人たちがチームに化学反応を起こす可能性も十分にありそうだ。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)