超特大弾で佐藤輝明が見せた「昨年と違う姿」 課題を克服…球団OBも絶賛の“進化”

阪神・佐藤輝明【写真:小林靖】
阪神・佐藤輝明【写真:小林靖】

佐藤輝が右翼席へ特大の2ラン…野口寿浩氏も絶賛「完璧な一発」

 阪神は23日、巨人とのオープン戦(那覇)に4-9で敗れた。先発の伊藤将が初回に7失点の大乱調だったが、打線では佐藤輝が特大の1号2ラン。現役時代にヤクルト、日本ハムなど4球団で捕手として活躍した野球評論家の野口寿浩氏は「これまでの課題を克服する素晴らしい一発」と絶賛した。

 強烈な一発に球場はどよめいた。6点を追う3回2死二塁で迎えた第2打席。巨人・赤星の初球145キロの直球を完璧に捉えた打球は右翼席後方の防球ネット最上部に直撃。打った瞬間の超特大弾に岡田監督もベンチで満面に笑みを浮かべた。

 春季キャンプ、練習試合から好調を維持している佐藤輝。オフには米国のドライブラインで動作解析を行うなど、新フォームの構築に直手した。進化した姿を見せる大砲に野口氏は「強い真っすぐを捉えた完璧な一発。下半身に安定感があり、上半身にも無駄な動きがない。昨年までとは違った姿を見せられたのではないでしょうか」と、変化を感じ取った様子だ。

 昨季は打撃不振などで2軍降格を経験するも、終わってみれば打率.263、チームトップの24本塁打92打点をマークした。課題は好不調の波を少なくすることと、強いボールへの対応。野口氏も「140キロ後半~150キロの直球を仕留め切れずファウル、空振り。差し込まれる場面もあった」と指摘する。

伊藤将は初回に7安打7失点の乱調も「2回以降は修正できていた」

 それだけに内角直球を捉えた、この日の一発は「このオフに取り組んできたことを証明する1打席。本当にいいものを見せてくれた」と賛辞を送る。キャンプで連日、特守で下半身を鍛えたことも打撃に繋がったと感じている。

「岡田監督も『守備から打撃に繋がるものがある』とよく言われる。やってきたことは無駄ではない。そのまま結果に現れている。30本はクリアできると思います。そうなれば必然的にアベレージも上がってくる。今年は今まで以上に期待できます」

 投手では、先発の伊藤将が初回に7安打7失点の大乱調。それでも2回以降は3者凡退に抑え、予定されていた3回を投げ切った。不安も残る内容だったが「あれだけの投手。この時期の結果はどうでもいい。初回は打たれるべくして打たれていた。それは本人も分かっているでしょう。実際に2回以降は修正できていました」と分析する。

 オープン戦ながら“伝統の一戦”には多くのファンが詰めかけ、シーズンさながらの盛り上がりを見せた。「今はこの雰囲気を感じ取られたのがプラス要素。この先、1か月で修正し開幕までには仕上げてくるはずです。投打ともに開幕前の1週間までは色々と確認することがあります」。連覇を目指す岡田阪神。黒星も大きな収穫を得た一戦になったようだ。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY