菊池雄星「疲れるなあと思って」 クイック転向の珍理由…2回3K無失点で滲む順調ぶり

パイレーツとのOP戦に登板したブルージェイズ・菊池雄星【写真:ロイター】
パイレーツとのOP戦に登板したブルージェイズ・菊池雄星【写真:ロイター】

セットポジションからクイック転向「足あげるのが面倒くさくて」

 ブルージェイズの菊池雄星投手が26日(日本時間27日)、キャンプ拠点を置く米フロリダ州ダニーデンで行われたパイレーツ戦でオープン戦初先発し、2回を1安打無失点、3奪三振と好投した。

 初回は抜ける球が多かったが、2回にしっかりと修正。1死から6番・ディレイをチェンジアップで空振り三振に仕留めるなど、2者連続三振で力強く締めた。「初回はブルペンとのギャップがあり、抜けるボールが多かったけど2回に修正できた。今後投げていく中ですごくいい収穫だった」と満足そうだった。

 今キャンプでは新しい球種の習得にも取り組んでいる。昨季まで投げていたスプリットチェンジアップを、親指と人差し指で輪をつくる「サークル・チェンジ」に改良。「きょうのベストピッチ」と自画自賛した球で2回に空振り三振を奪うなど、新球への手応えは上々だったようだ。右打者中心の打線に対し、95マイル(約153キロ)をマークした直球とチェンジアップ主体に攻めた。

「カーブ、スライダーはいつでも投げれる。スプリングトレーニング全体を通して、チェンジアップとストレートをテーマとして精度を高めていくことが大事になってくる」

 昨季の同時期は先発ローテーションが確約されていなかったが、今季は開幕を照準に合わせて余裕を持って調整を任されている。「去年はヒットを1本も許さないつもりでアピールしないといけないという思いで毎試合全力で1試合目から準備していました。今年は(投手コーチの)ピートからもフォアボールでもいいからチェンジアップを使えって言われたりしているので、いろいろ試しながらキャンプを過ごせています」。表情にも充実感が漂っている。

 また、今季から新たに採用されている新素材のユニホームの着心地について聞かれた際には「生地が変わったことすらわからなかったです。そこら辺は鈍感なんで」と笑顔。本人は投球動作で足を上げたときに違和感が出ているのではないかと予想し、自身は昨年からセットポジションからクイックで投げている分、影響が少ないと分析した。

 そのクイックにした理由については制球を安定させる目的とともに「足あげるのが面倒くさくてクイックにしたんですよ」と明かした。「疲れるなあと思って。球速変わんなかったので。2つ練習するよりも1個の方が楽だし」と言って笑った。終始リラックスした表情を見せる姿からも、順調な調整ぶりがうかがえる。

(Full-Count編集部)

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