“トッポ”と揶揄された大谷翔平 肉体改造20年計画…衝撃のド軍1号を生んだ舞台裏
大谷のトレーニング理論「10年、20年のスパンで考えてやるもの」
■ドジャース 9ー6 Wソックス(日本時間28日・アリゾナ)
ドジャースの大谷翔平投手は27日(日本時間28日)、米アリゾナ州グレンデールで行われたホワイトソックスとのオープン戦で移籍後初本塁打を放った。「2番・指名打者」で初出場し、5回の第3打席に左越え1号2ラン。3打数1安打2打点の好発進を見せた。交代後には報道陣の取材に応じ、トレーニング理論や体のケアについて語る場面があった。
「打った瞬間は大きなフライかと思った」。ロバーツ監督がこう評した打球は予想に反して、左翼芝生席へ伸びていった。周囲の度肝を抜く移籍1号。だが、ユニコーンには「普通な感じ」だった。
「別に長打を狙っているわけでもないですし、全体的に言えることですけど、シンプルにゾーンを振るという。高いかなと思ったんですけど、(打球が飛ぶ)アリゾナでどうかなというところだったと思います」
衝撃の逆方向弾は、オフの積み重ねの表れだ。今キャンプは「1080スプリント」と呼ばれる機器などを使って下半身をいじめているが、本人にとっては日常生活そのもののようだ。
体のケアも忘れず「フィジカルセラピストに来てもらったタイミングで」
「トレーニングは一貫して年単位で変えるということではなく、10年、20年のスパンで考えてやるものなので。今年は手術があったので、それに適したトレーニングをもちろんしますけど、全体的なフィジカル強化は例年通りですね」
右肘手術明けで、今オフのトレーニングは「マイナスから」と言うが、それでもメロン肩に丸太のような二の腕を誇る。花巻東時代はガリガリでチョコ菓子の「トッポ」と呼ばれていた男は、樹木が年輪を重ねるかのように、静かに大きく強くなっている。
昨年9月に右脇腹を痛めてシーズンを終えた。右肘に2度目のメスを入れるなど、体の負担の大きい二刀流は、故障との戦いにもなる。「細かい動きのチェックだったり、トレーニングが週に何回かあって、あとはトレーナーに見てもらっています。数週間に1回、フィジカルセラピスト(理学療法士)に来てもらったタイミングでチェックしてもらっています」。肉体の巨大化ばかりが目がいくが、細心の注意を払っている。
今年7月に30歳を迎える。ロバーツ監督は「最近ショウヘイについて知ったことは“作り”が違うこと」と称賛した。全てを野球に捧げているからこそ、大谷の衝撃プレーが生まれている。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)