大谷翔平に「持って行かれた」 WBCで話題になった“チェコ帽子”…指揮官明かす舞台裏
大谷がWBCで着用し話題になったチェコ代表のキャップ…監督明かす秘話
話題になった“チェコキャップ”は盗まれたものだった? 昨春のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では野球日本代表「侍ジャパン」とチェコ共和国代表の絆が話題になった。現ドジャース・大谷翔平投手がチェコ代表のキャップを被って米国入り。しかし、本当は大谷の帽子ではなかった。
「あれはヒデキに渡したんだよ」。そう語るのはチェコ代表監督を務めたパベル・ハジム氏だ。「カーネクスト 侍ジャパンシリーズ2024 日本vs欧州代表」(6日、7日、京セラドーム)の欧州代表コーチとして来日。WBCの思い出を振り返った。
侍ジャパンとチェコの試合が終了した後、ハジム氏は友好の証として栗山英樹監督に自らの帽子を渡した。しかし、栗山氏が棚の上に置いていったときに大谷が勝手に持って行ってしまったという。「ヒデキに渡したのに、ショウヘイが帽子を持って行ってしまったんだ」と明かした。
ハジム氏は当時はそのことを知らなず、その後の欧州選手権で栗山氏がチェコを訪問した時に明かされたという。「ヒデキが『キャップどこ?」って探していたら、ショウヘイが空港で被っていたんだって。だからもう1度、ヒデキに帽子を渡したんだ」と大笑いだった。
ただ、大谷がチェコのキャップを着用したことにより、チェコ代表のキャップは公式サイトで即完売するなど、大きな話題となった。「ショウへイはチェコでもとても人気だ。特にあの大型契約を結んでからね。彼が人気なのは、チェコではショウへイという言葉がグッドガイという意味ということもあると思う。チェコ語でショウへイという言葉があるんだ。音がとても似ているんだ」と嬉しそうだった。
大会が終了後、母国チェコでは、WBCの物語が一冊の本になった。その中には大谷から三振を奪ったオンジェイ・サトリア投手のインタビューなど、大部分が日本の話になった。また、チェコでは欧州選手権がテレビ放送されることも。「本当にチェコの野球界は一変した。WBCは忘れられない思い出だよ」と感慨深げに頷いた。
(川村虎大 / Kodai Kawamura)