岡田監督が苦言「何してんや」 ベンチでイラ立ち…9連敗より深刻な“アピール不足”

阪神・岡田彰布監督【写真:矢口亨】
阪神・岡田彰布監督【写真:矢口亨】

阪神は10日の巨人戦に4-5で敗れ、オープン戦開幕9連敗

 昨季日本一の阪神が、オープン戦開幕9連敗と苦しんでいる。まだ、“本番モード”ではないが、過去を辿れば球団ワースト記録だという。10日の巨人戦(甲子園)もミスが絡み4-5の惜敗。岡田彰布監督は、この時期の勝敗に関して全く気にする素振りを見せていないが、個々に注文を付ける場面があった。

 岡田監督が語気を強めたのは、ドラフト6位ルーキー・津田がマウンドに上がった7回の場面。先頭の佐々木に中前打を浴びるなど2死一、二塁のピンチを背負うと、秋広に左前適時打を浴び1点を失った。1イニングを3安打1失点と結果を残せなかった。津田は結果を残せなかったが、指揮官の注目は捕手・長坂のリードだった。

「最後なんかベンチから言うたんやで。カーブ投げ言うて。ピッチャー潰したらアカンよ、ホンマに」

 津田は最速152キロの直球と、カーブで緩急をつける投球が持ち味の投手。この日、打者6人に対して20球を投じたが、カーブを初めて投げたのは4人目の泉口の初球だった。その後、岡田監督が指示すると最後の打者・湯浅に対し4球とカーブ主体の投球に切り替わっていた。

 現状、チームは右肩の肉離れで2軍調整中の梅野と坂本が軸で、控え捕手がなかなか決まらない状況。昨季も梅野が左尺骨骨折で離脱した際は、坂本がシーズン後半をフル回転しリーグ制覇、日本一を成し遂げている。岡田監督が、下からの突き上げに物足りなさを感じるのも仕方ない。

「なんで、あの武器のカーブを使わへんの? 武器はカーブやのにな。『キャッチャー何してんや』言うておまえ。1球ボールになったらもう使わへんやん。だからアカンねん、はっきり言うて。キャッチャーがストライク取れるリードやないんや。ピッチャーのいい球を引き出してやらなアカンねんから」

 開幕まで残り10試合。2軍調整中の梅野が間に合う可能性はあるが、リーグ連覇に向けチームの危機管理は常に必要だ。投手、野手ともに若手の猛アピールが続く中、指揮官は正捕手を脅かす存在が現れるのを待っている。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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