3年連続GG賞でも「安泰ではない」 宗佑磨が“危機感”を抱く理由「みんなわかっている」
オリックス・宗が抱く“危機感”「確定しているとは思っていません」
3年連続で三塁の定位置を掴んでも、ポジションは約束されていない。オリックス・宗佑磨内野手は、今季も“危機感”を持っている。「若い子で、良い子たちがいっぱいいますから、僕自身は(ポジションが)確定しているとは思っていません」。真顔で自らの立ち位置を切り出した。
山下舜平大投手ら若手投手の台頭が著しい投手陣に比べ、野手では「三塁」を脅かす若手はまだ見当たらないのが現状。宗はプロ7年目の2021年に139試合に出場して以来、3年連続で三塁手としてパ・リーグのゴールデン・グラブ賞を獲得するなど、攻守でチームを支えてきた。
それでも感じる強い危機感。「だって、紅林(弘太郎)が出てきた時だってそうじゃないですか。(首脳陣が)そういう人を使うっていうのは、もうみんなわかっていることなんで。だから、たとえ試合に出ていた人でも気を抜けない状況です」。真っすぐな視線で訴えかける。
中嶋聡監督は2021年、高卒プロ2年目の紅林弘太郎内野手を、開幕戦で遊撃手としてスタメン起用し、その後もじっくりと育ててきた。チーム内の競争は今季も変わらない。内外野を守ることができる廣岡大志内野手は打撃好調でアピールを続けている。
広島から国内FA権を行使して移籍した西川龍馬外野手が加わり、野手のレギュラー争いはさらに熾烈だ。「誰も安泰ではないんです。西川さんと森(友哉)さんくらいじゃないですか? 本当に勝負。勝負の世界なので、当たり前だと思っています」。覚悟がある。
故障もあり昨季は、打率.245、2本塁打、22打点と思い描いた数字は残せなかった。「守備が上手くても下手でも、打てる選手が(試合)出るんです。首脳陣は『調子が良い』と思った選手を使うので、いろんな選手と勝負になります。まずは試合に出ること。しっかりと実力で勝ち取りたいです」。新たな気持ちでバットを振り続ける。
○北野正樹(きたの・まさき)大阪府生まれ。読売新聞大阪本社を経て、2020年12月からフリーランス。プロ野球・南海、阪急、巨人、阪神のほか、アマチュア野球やバレーボールなどを担当。1989年シーズンから発足したオリックスの担当記者1期生。関西運動記者クラブ会友。2023年12月からFull-Count編集部の「オリックス取材班」へ。
(北野正樹 / Masaki Kitano)