寿司詰め会見場は「撮影禁止だ」 大谷翔平に苦悩…指揮官&同僚も駆けつけた緊迫の11分
大谷は違法賭博への関与を全否定、ロバーツ監督やケリーらも会見場に集結した
重くピリピリとした空気が充満した。ドジャース・大谷翔平投手は口を真一文字に結んで、80人近くの報道陣が待つ会見場に入った。日本ハム時代から信頼していた水原一平通訳が違法賭博に関与するという背信行為。「僕自身も信頼していた方の過ちというのは悲しく、ショックです」。報道陣の質問は受け付けず、声明のみが発表された。約11分間、険しい表情に苦悩がにじんだ。
元通訳の水原氏に違法賭博関与の疑い。ショッキングなニュースに異例の注目が集まった。球場オープンとなった午後1時には報道関係者用の駐車場、取材パス受け取りに長蛇の列。会見スタート予定の30分前の14時15分には、会見場前に30人以上の列ができた。会見が始まる10分前に会見場がオープン。「カメラは持ち込まないで。撮影禁止だ」。警備員が警告したように撮影できたのは地元放送局スポーツネットLAとMLBネットワークのみ。14時45分には報道関係者が会見場に寿司詰め状態となった。
会見には新通訳のウィル・アイアトン氏が同席。アンドリュー・フリードマン編成本部長ら球団幹部だけでなく、デーブ・ロバーツ監督、ジョー・ケリー投手、エンリケ・ヘルナンデス内野手ら練習中の現場組も集結した。日本ハム時代から最も多くの時を過ごした人物から裏切られるというスキャンダル。「彼が僕の口座からお金を盗んで、なおかつみんなにウソをついていた」。あまりにショッキングな告白だった。
会見終了10分後にはグラウンドにグラブを持って登場。昨年9月の右肘手術後初めてキャッチボールを行った。約20メートルほどで、もちろん全力投球ではなかったが、暴投に笑顔を見せるなど充実の50球となった。会見冒頭で「僕も話したかったので、嬉しく思います」と話していたのも印象的だった。「気持ちを切り替えるのは難しいですが、シーズンに向けてまたスタートしたいです」。野球への純粋な思いが叶うことを祈るばかりだ。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)