大谷翔平の変わらぬ声色「おっす!」 衝撃会見から一夜…周囲から“無限サポート”
昨季までエ軍バットボーイだったパルドくんと交流
試合前。携帯電話に流れるニュースを見ながら球場裏の通路を歩いていると、ドジャース食堂から口をモグモグした大男が出てきた。大谷翔平投手だった。
「おっす!」。元通訳・水原一平氏の違法賭博疑惑に関する衝撃の声明会見から一夜。いつもと変わらぬ声色だった。ただ、大谷のすぐ後ろを歩いているのは新通訳のウィル・アイアトン氏だったが……。
古巣の本拠地エンゼルスタジアムでのオープン戦。大谷にとっては、ホッとするだろう男との再会があった。昨季までエンゼルスのバットボーイを務めていたスティーブ・パルドくん。昨季は本塁打を放った際に兜を渡すなど、ダグアウト内での仲良し交流が度々話題になった弟分的な存在だ。今季からエンゼルスではなく、ビジターチームのバットボーイを務めるという。
この日もクラブハウス内でしっかり交流。大谷は気合いを入れるかのようにパルドくんの胸をポンポンと叩いていた。パルドくんもユニコーンの“無事”に一安心していた。
誰よりも信頼していただろう水原氏の裏切り行為。大谷が語っていたように気持ちの切り替えは簡単ではない。だが、前日の会見に同席したドジャースのエンリケ・ヘルナンデス内野手が「辛い時期を過ごしているチームメートをサポートしに行った。サポートする人が多ければ、多いほどいい」と語ったように、周囲から多くの愛情を受けている。
この日のエンゼルスタジアム凱旋試合では、初回の打席に立った際にビジョンで昨季のMVP受賞など6年間の功績を称える映像が流された。第2打席前には歓声だけでなくブーイングもあったが、これも古巣ファンの愛情の裏返しなのは間違いない。
27日(日本時間28日)は休養日。28日(同29日)のカージナルスとの米国開幕戦から再スタートを切る。実戦は13打席連続ノーヒットとなったが、ロバーツ監督も「彼は28日へ準備ができていると思う」と心配していない。この辛い時期を絶対に乗り越えてくれると信じている。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)