半裸の選手が困惑した“大谷劇場” まるで日本の満員電車…開幕戦ですでに異常事態
昨季の開幕戦から2倍以上の報道陣が集結「これだけ注目されるのはいいこと」
■ドジャース 7ー1 カージナルス(日本時間29日・ロサンゼルス)
まるで満員電車に乗っているかのようだった。ドジャース・大谷翔平投手がカージナルスとの本拠地開幕戦に「2番・指名打者」で先発出場し、3打数2安打1四球をマーク。上々の本拠地デビュー後に囲み取材が発生したが、記者間では場所取りの“おしくらまんじゅう”が自然と発生。クラブハウス内はカオス状態だった。
報道陣にクラブハウスが開放されたのは、試合終了から9分後だった。7億ドル男の肉声を聞こうと、日米メディアが突入。優に50人を超えるメディアが大谷のいるクラブハウス中央の取材スペースに集まった。シャワー上がりで半裸の選手は、シャワールームから自身のロッカーへも移動できない。「クレイジーだ」「通れないじゃないか」。右往左往したのちに呆然と立ち尽くすしかなかった。
試合前からとんでもなかった。報道陣の駐車スペースは通常の公式戦なら球場に隣接する位置に用意されるが、この日は別だった。隣接する駐車場を使えたのはビートライターのみ。多くのメディアは2022年オールスター戦やポストシーズン中と同じように、離れた駐車スペースからシャトルバスを使わざるを得なかった。いつもはダグアウト内で行われるロバーツ監督の試合前囲み取材も会見場で実施。全ては混雑を避けるためだったが、その会見場も寿司詰め状態だった。
ロサンゼルス・タイムズ紙のディラン・ヘルナンデス記者によると、昨季の開幕戦に比べて報道陣は「2倍以上来てますね」という。「でも、いいんじゃないですか。これだけ注目されるのはいいこと。もしメディアが嫌なら日曜日に草野球をやればいいんだし」。もしポストシーズンやワールドシリーズになれば……。大谷フィーバーは果たしてどうなってしまうのだろうか。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)