“150km超の魔球”は「見たことない」 専門家も脱帽…オリ助っ人に「当たり年の予感」

オリックスのアンドレス・マチャド【写真:北野正樹】
オリックスのアンドレス・マチャド【写真:北野正樹】

先発のエスピノーザが6回無失点、マチャドは球団最速の162キロをマーク

■オリックス 2ー0 ソフトバンク(30日・京セラドーム)

 オリックスは30日、京セラドームで行われたソフトバンク戦に2-0で勝利した。新助っ人のエスピノーザが6回無失点の好投を見せれば、マチャドも球団最速の162キロをマーク。打ってはセデーニョが均衡を破る1号2ランと外国人トリオが大活躍。野球評論家の新井宏昌氏は「久々に外国人が当たり年になる予感。嬉しい悩みになりそう」と、大きな期待を込めた。

 リーグ4連覇を狙うオリックスに、頼もしい戦力が加わった。先発のエスピノーザは150キロを超えるツーシームとスライダーを武器に、6回2安打無失点で初勝利をマーク。8回に3番手として登板したマチャドも、最速162キロの直球と150キロのチェンジアップで、1回1安打3奪三振の衝撃デビューを飾った。

 安定感ある投球を見せたエスピノーザに新井氏は「初回に2四球を与えたが、意図する球を投げられていた。一番効果的だったのはスライダー。曲がりがカーブのようで打者を錯覚させる。その差が大きく打者は手こずった。十分に先発としてやっていける」と太鼓判を押した。

 さらに、球場が沸いたのは8回。マチャドは先頭・甲斐への初球に160キロをマークすると、最後は151キロのチェンジアップで空振り三振。続く牧原への3球目には自己最速を更新する162キロを記録。その後、右前打を浴びたが、後続を打ち取りセットアッパーとしての役割を果たした。

「150キロのチェンジアップは見たことがない。フォークではなくチェンジアップだからこそ、打者は直球と区別がつかない。まだ初登板で未知な部分はあるが、平野佳と共にWストッパーとしてもいけるのではないでしょうか」

助っ人が大きな戦力になる可能性「中嶋監督も嬉しい悩み」

 今季は山本由伸(現ドジャース)と山崎福也(現日本ハム)が抜け、先発陣に不安もあったが「外国人でその穴を埋められるかもしれない。計算できそうな投手はまだいる。野手に関しても2年目のセデーニョ、ゴンザレスが戦力になっている」と指摘する。

 先発候補にはロッテから移籍したカスティーヨが控えており、打者でもセデーニョが開幕戦に代打で出場し安打を放てば、この日は決勝の2ラン。二塁手でスタメン出場したゴンザレスの固い守備も健在だ。近年は軸となる助っ人はいなかったが、今年は大きな戦力になると見ている。

 現状、チームは宇田川が2軍スタート、山崎颯も本調子にはほど遠い内容。中軸の中川も体調不良で2軍調整中と、開幕から苦しいスタートを強いられた。そんな中でも助っ人たちの活躍で、今季初勝利を挙げ「やりくりのうまい中嶋監督も嬉しい悩みになったのではないでしょうか」と新井氏。

 最大のライバル・ソフトバンクとの開幕カードはこれで1勝1敗。「共にレベルの高い試合を見せている。白熱したシーズンになる予感がします」。中嶋オリックスがリーグ4連覇に向けスタートを切った。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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