新庄監督が“水原氏問題”言及 自身は22億円損失「人間不信になりかける」
新庄監督は金銭管理を任せていた知人に“22億円詐欺”に遭っていた
■ロッテ ー 日本ハム(31日・ZOZOマリン)
日本ハムの新庄剛志監督が、“水原一平氏問題”に言及した。自身は阪神時代から金銭管理を知人に任せていたが、現役引退後に22億円あったはずの残高が2200万円しかなかったそうで、当時の状況を振り返った。
「4回くらいこすった、目を。もう笑いが出てくる。話す気にもならない。これは体験しないと分からないけど、笑う。矢沢永吉さんも『5億円以上は笑う』って言っていた」
そのショックは、金銭面でのものではなかったという。「人間だいたい、3日で忘れるでしょう。大丈夫だって」と明るく振る舞いつつ、「そういう問題じゃないんです、やられた方は。お金なんてどうでもいい。どうでもよくはないけど、信用していた、親みたいにかわいがってもらっていた人に何十年もそうやって騙され続けたことの痛みがものすごく苦しいから、人間不信になりかける。そこだけ」と当時の心境を語る。
しかしそこはポジティブ思考、すべてを糧にする指揮官らしい。「でも俺プラス思考だから。あの件がなかったらたぶんこっちに戻ってきていない。トライアウトを受けていない。だからこの経験はさせてもらえていない」と全てをプラスに捉えている。「めちゃくちゃいい経験。感謝とまではいかないけど、腹は立つけど、心の傷を負っただけで憎しみはあまりないかな。こうなった後で考えると」と明かした。
ドジャースの大谷翔平投手は、通訳を務めていた水原氏が違法賭博に関与し、大谷の口座から約450万ドル(約6億8000万円)を盗用した疑いで球団から契約解除された。新庄監督は「俺、お兄ちゃん。先輩先輩」と冗談めかしつつ、身近な人の“裏切り”に遭った心中をおもんぱかっていた。
(町田利衣 / Rie Machida)