なぜ大谷翔平は開幕からノーアーチ? 低迷示す“7.5”…打撃コーチが語るカギ

ジャイアンツ戦に出場したドジャース・大谷翔平【写真:小林靖】
ジャイアンツ戦に出場したドジャース・大谷翔平【写真:小林靖】

開幕から33打席ノーアーチは自己ワースト、ア・リーグ本塁打王に何が…

■ドジャース 8ー3 ジャイアンツ(日本時間2日・ロサンゼルス)

 ドジャースの大谷翔平投手は1日(日本時間2日)、本拠地のジャイアンツ戦に「2番・指名打者」で先発出場し、3回に右翼線二塁打を放った。4打数1安打1打点で打率.267。一方で、開幕から33打席ノーアーチは自己ワーストとなった。昨季のア・リーグ本塁打王に何が起きているのか。

 スラッガー・大谷の異変は明らかに打球が上がっていないことだ。本塁打王に輝いた昨季の打球角度は13.2度、自己最多46本塁打を放った2021年は16.6度を記録したが、ここまで7.5度。メジャー平均の12.2度も下回る数字となっている。

 3月31日(同1日)のカージナルス戦では右翼線へエンタイトル二塁打を放った。打球速度115.8マイル(約186.4キロ)で球団最速安打となったものの、16度と上がりきらなかった。昨季までの大谷の通算171本塁打の中で最も角度が付かなかったのは19度。長打になりやすい打球速度と角度を組み合わせた「バレルゾーン」に入った打球は3球のみだ。

 今ひとつ乗り切れない打撃。大谷も30日(同31日)の試合後に「見え方自体は悪くないですけど、タイミングと(ボールとの)距離の問題かなと思います」とズレを感じていると明かしていた。アーロン・ベイツ打撃コーチは、どのように見ているのか。「状態は悪くないと思う。コンタクトするポイントだね。多くの投手は速い球と遅い球を交ぜてくる。(リーグが変わり)対戦している投手があまりいない。タイミングの話だろう」。ナ・リーグへ移籍し、対戦経験が少ないことが好打を妨げていると語った。

 少し気掛かりなのが打球方向か。今季の8安打のうち中堅から左翼方向へ飛ばしたヒットは、3月20日のパドレスとの開幕戦の8回に放った左前適時打のみ。「人は怪我などで何らかの癖に陥る。彼の場合、2018年や2019年に比べて引っ張ることが多くなった。本人が慎重になっているということではなく、こういうことは起きるものだ。(大谷の良さは)時に引っ張る時もあるかもしれないが、左中間にも打つ。フィールド全体を使うということだ」。大谷本来の打撃は広角に打てることだと、ベイツ打撃コーチは指摘した。

 右越えへの豪快なアーチはもちろん期待したいが、左越えへも軽々とスタンドインできるパワーを持っている。やはり逆方向への打撃が、本塁打量産へのカギということか。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY