GG賞4度の名手が3年ぶり日本へ 躍動する元DeNA戦士…“新球団”で奮闘する元NPB選手
オイシックスに元NPB勢が9人…小林慶祐は昨年のウエスタン最多セーブ
開幕から1か月が経とうとしているファーム公式戦。今シーズンからイースタン・リーグに「オイシックス新潟アルビレックス BC」、ウエスタン・リーグに「くふうハヤテベンチャーズ静岡」が新規参入した。両球団には元NPB選手が多数在籍。これまで以上に注目が集まっている。(成績は4月15日時点)
独立リーグからNPBのファームに参入したオイシックスは、元NPB選手が9人所属する。特に注目を集めているのが陽岱鋼外野手だ。2005年高校生ドラフト1巡目で日本ハムに入団。2013年に47盗塁でパ・リーグ盗塁王、ゴールデングラブ賞に通算4度輝いた。2017年に巨人へ移籍。優勝した2019年には110試合に出場した。巨人退団後も米独立リーグで現役を続行。37歳になった今季、オイシックスで自身3年ぶりのNPB復帰となった。ここまで7試合に出場し、16打数4安打、打率.250の成績を残している。
オイシックスの背番号「18」を背負うのは吉田一将投手だ。2013年ドラフト1位でオリックスに入団し、2016年には54試合で防御率2.66。2018年にはキャリアハイとなる58試合に登板するなどリリーフで活躍した。2021年限りでオリックスを退団し、2022年からオイシックスでプレーする。今季はここまで7試合で0勝1敗、防御率1.17の成績を残している。
小林慶祐投手は2016年ドラフト5位でオリックス入団。1年目の2017年にキャリアハイとなる35試合に登板し、2020年途中に阪神へ移籍後も中継ぎで登板を重ねた。昨年は1軍登板が1試合だったが、ウエスタン・リーグでは39試合で防御率3.20、最多セーブ賞を獲得した。
ほかにも元オリックスの園部佳太内野手、2014年に21セーブを挙げるなどDeNAのブルペンを支えた三上朋也投手(元DeNA、巨人)、2017年セ・リーグ勝率第一位投手賞に輝いた薮田和樹投手(元広島)、2016年セ・リーグ新人王の高山俊外野手(元阪神)らが所属する。チームを率いるのは橋上秀樹監督(元ヤクルト、日本ハム、阪神)、投手コーチは日本ハムOBの武田勝氏が務める。
くふうハヤテに元NPB勢は10人…倉本寿彦が高打率をマーク
くふうハヤテは元NPB選手が10人在籍する。昨年までロッテに所属した福田秀平外野手もその1人だ。2006年高校生ドラフト1巡目でソフトバンクに入団。2017年にキャリア最多の104試合に出場した。ロッテ移籍後は怪我に悩まされた。今季は16試合に出場し、48打数8安打4打点、打率.167の成績となっている。
39歳の藤岡好明投手は2020年限りでDeNAで現役引退後、2022年から独立リーグ・熊本で選手兼コーチとして現役復帰。今季からくふうハヤテで現役を続行している。
開幕から主軸として奮闘しているのが、元DeNAの倉本寿彦内野手。2014年ドラフト3位でDeNAに入団し、ルーキーイヤーから3年連続100試合以上に出場。2016年にはキャリアハイの打率.294、157安打を記録した。昨年は社会人・日本新薬に復帰し、日本選手権にも出場した。今季は16試合、46打数18安打7打点、打率.391、OPS.823の好成績を叩き出している。
他にも西濱勇星投手(元オリックス)、田中健二朗投手(元DeNA)、西川僚祐外野手(元ロッテ)らが新球団の初年度の選手として名を連ねた。近鉄OBの赤堀元之氏が初代監督に就き、投手コーチを日本ハムOBの中村勝氏が務める。
両球団とも開幕から苦戦が続いているが、オイシックスは4月に入り初の4連勝。くふうハヤテも早川太貴投手がリーグトップタイの3勝を挙げるなど、NPB未経験の若手の存在も光る。新球団のファーム初優勝、1軍への返り咲きなど、それぞれの目標に向かって戦う2チームの選手たちに注目だ。
(「パ・リーグ インサイト」菊地綾子)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)