甲子園で見た“異様な光景”に「驚きました」 米殿堂の館長に刻まれた日本文化「唯一無二」
米の殿堂博物館のラウィッチ館長、日本における野球は「国技」
クーパーズタウンにある米国野球殿堂博物館のジョシュ・ラウィッチ館長が19日、東京都内でFull-Countの単独インタビューに応じた。今回が3度目の来日となったラウィッチ氏は、日本の野球について「とても驚きました」と米国とは違った“文化”について語った。
「本当に、ファンの皆さんの情熱がものすごい。あれだけのバイブ(雰囲気)を球場で感じられるのは唯一無二だと思います」
同氏は過去の来日でも日本の球場に足を運び、実際に試合を観戦。なかでも印象に残っていたのは甲子園での“現象”だったという。
「ジェット風船にはとても驚きました。すごい景色でした。東京ドームの応援団も独特でよく覚えています。野球はアメリカ同様に日本でも“国技”なんだと思いました。(日本人の)心に残っているものだと感じることができて嬉しかったです」
また、試合前の練習風景も記憶にあるという。米国ではホーム、ビジター関係なく打撃練習は1か所で行うが、日本ではホームチームは2か所で行っている。「これは我々にない文化でした」と興味を持った様子だった。
朗希の完全試合球も展示「あの年齢で成し遂げたということを知って欲しかった」
博物館には日本でプレーする選手の関連アイテムも飾られている。その中には2022年4月10日にロッテ・佐々木朗希投手がオリックス戦で完全試合を達成したボールも寄贈されているという。
「私達はさまざまなレベル、世界の野球を見てもらいたいと考えています。女子野球、ラテンアメリカなどについても、ぜひ皆さんに知ってもらいたい。その中でササキがあの年齢(当時20歳5か月)で成し遂げたということを、みなさんに知って欲しかった。日本の野球殿堂博物館に連絡し、手にいれることに至りました。日本の博物館、NPBの方々も私達に好意的に協力してくれています」
2025年7月にはクーパーズタウンにあるアメリカ野球殿堂博物館で企画展「野球とベースボール:太平洋を越えた日米の野球交流」が開催される。親日家のラウィッチ氏は「この立場として真剣に取り組んでいるのは、野球の歴史を守る責任があると思っているからです。現役だけでなく、過去にもプレーした選手を称賛することで、親から子、子から孫の世代へ繋いでいきたい。今回新しい企画の展示で、さらに多くのファンが我々の博物館にきて、経験してほしいと思います」と思いを語った。
同企画展では英語だけでなく、日本人に向けた日本語のガイドや看板なども掲示されるという。
(湯浅大 / Dai Yuasa)