松井秀喜超えHRよりも… 大谷翔平、9分30秒の取材で鮮明になった7億ドルの“宿命”
日米メディア全13問のうち6問が「得点圏の打席」についてだった
■メッツ 6ー4 ドジャース(日本時間21日・ロサンゼルス)
ドジャース・大谷翔平投手に求められているのは、どんな打撃なのか。9分30秒の囲み取材で、それがより鮮明になった。日米メディアからの質問は全13問。そのうち6問が6回1死満塁の空振り三振や得点圏での打撃についてだった。
ただ振り返るだけでない。得点圏での打席での考え方、得点圏での打席についてデーブ・ロバーツ監督と話し合ったことについて踏み込んだ質問もあった。
「変えないようにするのが変えたこと。全打席、どんなシチュエーションでも、自分の打撃をしっかり。どんな状況でも変えずにいければなと思います」
「(ロバーツ監督から)単純にゾーンが多少広がっている。アグレッシブなのが悪いとかではなくて、アグレッシブなゾーンが広がっていると(指摘された)。スコアリングポジションでないところでは、しっかり出来ているので、そこを継続していこうと」
5回先頭で6試合連続安打となる右越え二塁打。3四球を選んで今季最多4出塁したことなど、どこかに忘れ去られるぐらいの取材内容だった。ちなみに、松井秀喜氏を超える日本人最多本塁打についての質問は1問のみだった。
リーグ最多の33安打に、打率.359、OPS1.049はいずれもリーグ上位だ。打席のうちの三振の割合を示す「K%」は17.8%とエンゼルス時代から格段に良くなり、大谷自身も「相手がどう攻めてくるかで変わってくる。どの打線に入るかで変わってくる」と移籍の効果と実感している。
ただ、得点圏では21打数2安打と苦しみ、チームは最近10戦で3勝7敗と勝てていない。大谷は「早く切り替えないといけないですし、終わったことをいつまでも。もちろん反省はしますけど、引きずってもしょうがないことではある。反省はしつつ、切り替えて、明日に臨みたいなと思います」と語った。
日米メディアからリクエストすることなく、急きょ設定された囲み取材。これもチームの看板選手としての役目だろう。7億ドル(約1080億円)男には、個人のことよりもドジャースを勝たせなければ意味がないということだ。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)