大谷翔平に“無用”だった心配 37打席ノーアーチも…コーチが確信していた兆し

メッツ戦で本塁打を放ったドジャース・大谷翔平【写真:Getty Images】
メッツ戦で本塁打を放ったドジャース・大谷翔平【写真:Getty Images】

松井秀喜を超える米通算176本塁打、日本選手単独最多を更新した

■ドジャース 10ー0 メッツ(日本時間22日・ロサンゼルス)

 8戦ぶりの豪快弾には様々な伏線があった。ドジャース・大谷翔平投手は21日(日本時間22日)、本拠地・メッツ戦で今季5号2ランを放った。松井秀喜氏を抜く日本選手単独最多となる米通算176号。38打席ぶりの本塁打だが、アーロン・ベイツ打撃コーチに心配はなかった。

 歴史的アーチをかけた試合の前、記者が「ここまで7試合本塁打が出ていないけど」と問うのを遮るようにベイツコーチは「打つよ!」と宣言。「次(本塁打を)打ったら、(本塁打を)打ちまくるよ」。心配ご無用だという様子で本塁打を“予言”していた。

 試合前の時点で得点圏打率は21打数2安打で打率.095。12日(同13日)の本拠地・パドレス戦で松井氏に並ぶ4号を放ってから37打席ノーアーチだった。デーブ・ロバーツ監督からは「私は十分理解しているけど、ストライクゾーンをコントールしないといけない」と指摘されることもあった。

 ベイツコーチも「(ストライク)ゾーンをあまり広げて欲しくない。四球を選んでいるので、いい仕事をしている」とロバーツ監督の言葉に賛同しながらも、「得点圏打率というより、(ストライク)ゾーンに限定して、打てる球を見極めるアプローチの方を重視した。それくらいかな」とアドバイスを送っていた。

フリーマンが復調気配「彼が後ろに控えていると、もっと攻めてくるだろう」

 メモリアルアーチは3回1死の第2打席に飛び出した。右腕ハウザーの甘く入ったスライダーを右翼席に叩き込んだ。それだけではなく、5回無死一、二塁の第3打席では、ここまで苦戦していた得点圏で投手強襲の内野安打をマーク。8得点のビックイニングを演出した。

 後ろを打つ3番のフレディ・フリーマン内野手が復調の兆しも見せていたことも大谷には追い風だった。20日(同21日)の同カードまで3試合無安打で打率.259まで下がっていたが、2本の適時打。「フレディ(フリーマン)は好調だから、彼が後ろに控えていると、もっと(相手投手は)攻めてくるだろう」。相手投手陣はボール球を投げにくくなり、ストライクゾーンの球を振り抜いた。

 この日の2安打でついに打率は両リーグトップの.368に。大谷は試合後「ホームランだけを狙っているわけではない」としつつも「自分の長所でもある」と本塁打への思いを語っていた。ベイツコーチも「次にホームランを打ったら、今後もたくさん打つと思うよ」と自信ありげ。ドジャースでのアーチショーがそろそろ始まりそうだ。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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