3年ぶりスタメン落ちも…岡田監督が見ていた“陰の努力” 不振の4番に信頼を寄せる理由
4番に復帰した大山は適時打を含む4打数2安打1打点の活躍を見せる
■ヤクルト 4ー2 阪神(17日・甲子園)
阪神は17日に行われたヤクルト戦(甲子園)に2-4で敗れた。先発した青柳は制球難を克服できず6回4失点で降板。一方で打線は4番に復帰した大山が、適時打を含む2安打を放つなど復調の兆しを見せた。連勝は「3」でストップしたが、岡田彰布監督は主砲への信頼を口にする場面があった。
寡黙な4番が放った安打に甲子園が沸いた。2試合ぶりに4番に復帰した大山は2回の第1打席で18打席ぶりのヒットとなる左前打を放つと、4点を追う6回2死一、二塁で迎えた第3打席では追撃の右前適時打をマーク。4打数2安打1打点の活躍を見せた。
前日の中日戦(バンテリンドーム)では2021年以来のスタメン落ちを経験。代わりに出場した原口が4打点の活躍を見せたが、一夜で元の打順に戻した指揮官の期待に応えてみせた。試合後に岡田監督は「もう出るやろ、そら」と苦笑いを浮かべたが、すぐさま大山の“陰の努力”を称える場面があった。
「でもそら、ちゃんと早よ来て室内で打ってたりしたら、ちゃんとええ結果が出るよ。そら、本人が一番苦しんでると思うよ、ヒット出えんのは」
今年はオープン戦終盤に怪我もあり、本調子ではない状態で開幕を迎えた。苦しむ姿を表には見せず、凡打でも一塁への全力疾走は怠らない。打撃フォームもすり足に変えるなど、試行錯誤を繰り返した。同じく不振に悩む佐藤輝に対し指揮官は2軍降格を決断したが、不動の4番を務めていた大山には「やることちゃんとやってたら、やっぱり(結果は)出るやん」と、復調を待った。
悔しさを押し殺し、本拠地・甲子園で快音を響かせた背番号「3」。スコアボードに灯した「H」ランプが復調の兆しになるのか。“4番・大山”に信頼を置く指揮官も、そこは手綱を締めた。「そんな、ええ薬ないやろ。簡単な薬はないよ」。本当の復活を果たした時に、岡田監督の称賛コメントが聞けるはずだ。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)