二刀流を凌駕する野手専念…大谷翔平が目指せる「最高の外野手」 打棒爆発で議論再燃
ESPNが主張「3冠王と40-40に挑める選手を、いじり回したいだろうか」
ドジャース・大谷翔平投手は20日(日本時間21日)の本拠地・ダイヤモンドバックス戦を終えた時点で打率353、13本塁打、OPS1.077などメジャー6冠。昨年9月に受けた右肘手術の影響で指名打者に専念する中、圧倒的な打棒でチームの地区首位独走に貢献している。米スポーツ専門局「ESPN」は、野手専念の可能性を指摘。「投げる準備に向けていた労力を最高の外野手を目指すことに注げば、平均的な野手で終わるわけはない」などと述べている。
今季の大谷は指名打者だけで歴史的なシーズンを送っていると記事は解説。「同一シーズンで3冠王と40本塁打40盗塁の両方に挑むペースだ。それを少しでもいじり回したいだろうか? ドジャース、オオタニにとっての疑問はこのようになってきた」と伝える。
打撃、走塁、守備、投球を総合的に評価して選手の貢献度を表す指標「WAR」(ベースボール・リファレンス版)で、大谷は今季は10.1のペース。そうなれば、投球のWARが3.9だった昨年のWAR9.9を上回る。
ドジャースで“弱点”とされている中堅で大谷が平均的なプレーをしていると想定した場合、守備防御点が0でもWARが3.5になり、1位のムーキー・ベッツ内野手(ドジャース)を上回ってMLBトップに立つ。今季終了時のWARは11.6になる計算だ。1900年以降でこの数字に届いた野手はカール・ヤスレムスキー、ロジャース・ホーンズビー、ルー・ゲーリッグ、バリー・ボンズだけだという。
備えた能力&投げる労力を外野に注げば「平均的な野手で終わるわけはない」
大谷が中堅を守ったことはNPBでもないが、その「スピード運動能力」と「投げる準備に向けていた労力を最高の外野手を目指すことに注げば、平均的な野手で終わるわけはない」、と記事は言及している。
一方で、ここにドジャースのジレンマがあるとも。大谷がピークの状態で投球できるようになれば、一大現象になり、MVP候補になり、将来殿堂入りが確実な選手になるだろうと予想する。だが、大谷の二刀流でのWARは昨年の9.9がベストだった。今季はバットだけでそれを上回るペースなのだと強調する。
実際には指名打者で試合に出場しながら、復帰に向けて投手としての調整を進めている大谷。ベーブ・ルースがそうだったように野手に専念することはあるのだろうか。
(Full-Count編集部)