大谷翔平、なぜ得点圏でノーアーチ? 感じたアプローチの変化…あえて狙わない豪快弾
今季の13本塁打のうち、8本がソロ、5本が2ラン
■Dバックス 7ー3 ドジャース (日本時間22日・ロサンゼルス)
ドジャース・大谷翔平は21日(日本時間22日)、本拠地・ダイヤモンドバックス戦で4打数2安打1打点2盗塁の活躍を見せた。5月に入り、得点圏打率は.462(13打数6安打)とチャンスで好結果を出しているが気になるのが本塁打。放った13本のうち、得点圏ではゼロとなっている。
4月終了時点で.184(38打数7安打)と苦しんでいた得点圏でのアプローチは徐々に改善。この日も6回1死三塁の第3打席では右前適時打を放ち、打点を稼いだ。ロバーツ監督も「この4週間、彼のストライクゾーンがとても不変的で、打てる球を振っている」と19日(同20日)の試合後にほめたたえていた。一方で、チャンスでの特大アーチは未だない。
大谷はここまでナ・リーグ2位の13本のアーチを放っている。内訳をみると、ソロが8本、2ランが5本。2ランはいずれも一塁に走者を置いた場面だ。昨季は44本のアーチのうち得点圏は7本だった。
20個の敬遠を受けた昨季と、前をベッツ、後ろをフリーマンが打つ今季では、同じアプローチをした場合、後者のほうが得点圏でアーチをかける機会は多いようにも思える。にもかかわらず、得点圏で未だ本塁打が出ないのは、大谷自身が本塁打を狙っていない打席が多いようにも思える。
20日(同21日)には3回1死一、二塁で際どい低めの球を見逃し、四球を選び、フリーマンの満塁弾を呼び込んだ。また、21日(同22日)の適時打もボール球を2球見逃し、低めのチェンジアップを軽打していた。
大谷自身も今季は打線を意識する発言が増えている。松井秀喜に並ぶ米通算175本塁打を放った際にも「ホームランを特に狙いにいく打席はない」と断言していた。サヨナラ打を放った際には「その状況、状況に合ったバッティングはあると思う」とも。ファンは豪快なアーチを期待するが、7億ドル(約1095億円)契約を結んだ男の使命はチームを勝たせること。本塁打が出ていないのは、チーム打撃ができている証でもあるように見える。
(川村虎大 / Kodai Kawamura)