オリにまた逸材…24歳が覚醒気配 最後の1枠へ、同僚から受けた刺激「必然なのかな」

オリックス・芦田丈飛【写真:北野正樹】
オリックス・芦田丈飛【写真:北野正樹】

オリックス・育成24歳の芦田が見据える“未来”

 希望の光を見出した“転向”かもしれない。オリックスの育成右腕・芦田丈飛投手が存在感を高めている。12日に鳴尾浜で行われたウエスタン・リーグの阪神戦に先発登板すると5回3安打無失点、10三振を奪う快投を披露した。

 芦田はルートインBCリーグの埼玉武蔵から、2023年育成ドラフト4位でオリックスに入団。24歳の新人右腕は、主に救援投手として活路を開いてきたが、チーム事情もあって5月後半から先発に“転向”している。

「(12日は)先発としてのマウンドだったので、5回は最低でも投げたいなと思っていました。80球くらいの予定だったので、最初は不安だったんですけど、意外とやっていけるなという手応えがあります」

 堂々と胸を張って答えた。10三振を奪ったことについては「本当は打たせて(アウトを)取るピッチャーなので。テンポよく投げることを考えています。結果的に三振を10個取れましたけど、本来は打たせて取りたい。自分のスタイルとはまた違う形になりました」と明かした。

 今季は2軍戦7試合に登板して防御率2.00の成績を残している。「1番の意識は投球フォームですね。中垣さん(巡回ヘッドコーチ)に教わったことを体現できるかどうかというのを考えてマウンドに向かっています。少しずつ、1つずつクリアしている感じです。(独立リーグ時代から)持ってきたものを、1度フラットにしているイメージです。変化球の精度も日に日に上がってきている。今はコントロールを課題としてやっています」。明るい表情で現状を語った。

オリックス・芦田丈飛【写真:北野正樹】
オリックス・芦田丈飛【写真:北野正樹】

「あれだけ練習していたら必然なのかなと思います」

 6月8日に佐藤一磨投手が支配下選手登録され、上限の70選手まで“あと1”となった。芦田は「才木や佐藤一磨を見て『もっとやらないといけないな』と感じるようになりました。ものすごく練習するタイプ。あれだけ練習していたら(支配下選手登録は)必然なのかなと思います」と尊重する。

 ふと思い出すのは佐藤との会話だ。「一磨が支配下選手になる2日前、舞洲の室内練習場で2人で話していたんです。『ここで腐ったら負けだよね』という話になりました。(初登板初勝利を見て)まずは日々の結果を積み重ねることが大切だなと感じました」。佐藤の初登板は当然、刺激になった。

 24歳ルーキーとあり「元々、1年目から勝負をかけたい気持ちもありました。だけど、コーチ陣と話すことで『1年で完全体』ではなくて、1年間で(体を)作り上げる気持ちになってきました。もっともっとコントロールとテンポの良さを磨きたいですね」。残り1枠を狙いつつも、輝く未来を見据えている。

(真柴健 / Ken Mashiba)

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