サヨナラ勝ちも「なに考えてるんや!」 阪神・岡田監督も激怒した“昨季との違い”
延長11回に相手の暴投でサヨナラ勝ちも…許せなかった走塁ミス
■阪神 2ー1 日本ハム(18日・甲子園)
ミスのオンパレードに指揮官は黙っていられなかった。阪神は18日の日本ハム戦(甲子園)を延長11回、2-1でサヨナラ勝ち。相手の暴投で決勝点を奪い交流戦を白星で締めくくったが、岡田彰布監督は「勝ったとか、そんなん何もないわ」と、度重なる走塁ミスで得点機を潰した自軍に怒り心頭だった。
勝利にも笑顔は一つもなかった。延長11回の死闘を制し、首位・広島とのゲーム差を2.5に縮めるも岡田監督は「酷いなぁ、しかし。えぇ。こんなにミスするんやな」と、呆れかえった表情を見せていた。それも、そのはず。先制した5回には目を疑うような光景があったからだ。
両チーム無得点で迎えた無死一、三塁の絶好機。打席に入った梅野に指揮官はセーフティスクイズのサインを送った。打球は投手正面に転がると三走・前川は慌てて帰塁しようとしたが、転倒しタッチアウト。さらに1死満塁で代打・原口が右邪飛に倒れた。万波が体勢を崩しながら捕球するも三走・森下はタッチアップできなかった。
「セーフティスクイズ言うても、正面だったら別にスタートを切らなくていい。(森下の走塁は)あの体勢で捕って投げれるか? ホームにストライク。なに考えてるんや! ほんま。こないしてグラブ伸びたような捕り方で。(万波の肩を気にした?)そんなもん、肩が強かったら全部ストップやんか」
岡田監督の怒りはまだ収まらなかった。2死満塁から近本の中前打で先制するも、二走・梅野が本塁を狙わず三塁でストップしたことに「あんなん、完璧ミスやん! ツーアウトで、満塁で、センター前のゴロのヒットで何でよう帰ってけえへんの?」と、語気を強めまくし立てた。
チーム打率はリーグ最下位「ヒット打てと言うてない」
ここまでチーム打率.220はリーグ最下位と貧打が続くだけに、得点力を上げるには一つ先の塁を狙うなど、隙の無い野球が必要不可欠。打てない状況を理解しながら、当たり前のプレーができない現状に岡田監督が怒るのも無理がない。
「だから結局は役割というか。それはランナー出たら1つでも前の塁とか、それが仕事な訳やから。そんなん当たり前のことやんか。ヒット打てと言うてないんやから。それができないんやからなぁ。簡単やんか、『行け』言うたら終わりやんか。行くか行かんか、やんか。走塁なんか。行く勇気がないわけやろ、結局は。コーチも行かす勇気がないんやろ」
これで交流戦は7勝11敗でフィニッシュ。昨年も勝ち越すことができなかったが「去年も3つ負け越してたから、そんな変わらないんだけど。なんかものすごい負けてるような感じになってるけど、まぁよくしのいだと思いますよ」と指揮官。21日から再開するリーグ戦は本拠地でDeNAが相手。リーグ制覇した昨季のような、隙の無い“岡田野球”を見せることができるか、ナインの奮起に期待がかかる。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)