元助っ人が戸惑った日本の“規律” ゴミの分別に大苦戦…変装するも「すぐバレた」
ロッテや巨人でプレーしたクルーズ「日本の文化は最高」
ロッテや巨人などでプレーしたルイス・クルーズ内野手は、日本で4年間を過ごした。日本を愛し「早く戻りたい」と話すほどだが、来日当初は異国での暮らしに戸惑い、ゴミの分別ができずに一家で悪戦苦闘したこともあった。Full-Countのインタビューで当時の出来事を回顧した。
2014年の来日から2年間は、本拠地だったZOZOマリンに近い海浜幕張エリアに居を構えていた。「駅も道も街もキレイ。ゴミもみんなちゃんと持って帰る。規律がしっかりしていて時間も守るし、日本の文化は最高だと思います」とすっかり魅了されたようだ。
しかし失敗談もある。「ごみの分別をする文化がなかった。マンションで奥さんが全部まとめて捨てたら『ちゃんと仕分けをしてください』と貼り紙をされちゃって。でも最初は分からないから、奥さんはサングラスをかけたり帽子を被ったり変装してゴミを出したけどカメラがあったからすぐにバレたよ」。今では笑い話だが、当初は慣れないルールが悩ましき問題だった。
とはいえ、郷に入っては郷に従え。迷惑をかけまいと夫婦で分別を学び、しっかりと習得した。「この国でしか経験できないこととかもあって人間的にも成長できたし、いい勉強になった」と感謝できるほどになった。
魅了された焼肉「デスパイネと2人で仙台中の牛タンを食べ尽くしたよ」
お気に入りだった焼肉の味も忘れることはない。海浜幕張駅前の「焼肉いしび」には週に4〜6回通っていたそうだ。ハラミと厚切り牛タンを特に好み、「仙台に行ったときには、デスパイネと2人で仙台中の牛タンを食べ尽くしたよ」という逸話も。「石垣島の焼肉もおいしかったなあ」と懐かしんだ。
現在暮らしているメキシコの自宅には、庭にグリルを完備。週末になれば家族で集まって肉を焼きながら、ライスやチヂミも食べているのだという。冷蔵庫にはキムチを常備。「ツナマヨのおにぎりが好きだったけど、それはこちらではなかなか食べられない」と悲しそうな顔を見せた。
「当時は球場とホテルの行き来ばかりだったし、練習や試合があって日本の街をあまり知ることができなかった。今度行ったら京都、福岡、札幌などに行ってちゃんとその街を知りたい。家族でそういう時間を過ごしたい」とクルーズ。日本で過ごした日々は今も、色褪せることはない。
(町田利衣 / Rie Machida)