苦境の王者救うか、日本に戻って来た強力助っ人 備える武器…MLBで記録した“1.14”
2023年にロッテで42HPをマークしたルイス・ペルドモがオリックス入団
5月28日、ルイス・ペルドモ投手がオリックスに入団した。昨年はロッテでプレーし、41ホールド1セーブを挙げて最優秀中継ぎ投手獲得した。今回は、MLB時代を含めた球歴や、各種指標に基づく投手としての特徴について紹介する。(成績は6月27日の試合終了時点)。
ペルドモは2010年にカージナルスと契約。パドレスに移籍した2016年に23歳でメジャーデビューした。同年は35試合で146回2/3を投げ、9勝10敗。2017年は29先発で自己最多の163回2/3を投げ8勝11敗、防御率4.67だった。2018年は12試合で1勝6敗、防御率7.05と苦しみ、2019年からリリーフへ転向した。
2019年は47試合で7ホールド。2020年途中にトミー・ジョン手術を受けて2021年は全休となったが、2022年にブルワーズでメジャー復帰し、14試合で防御率3.80をマークした。2023年にNPB挑戦を選択してロッテに移籍すると、53試合に登板して防御率2.13。41ホールドを挙げ、チームの2位躍進に貢献した。
2024年はMLB復帰を目指してナショナルズとマイナー契約を結んだが、開幕ロースター入りはならず。5月に日本球界復帰を選択してオリックスに加入し、3登板で無失点、奪三振率9.00と、期待に応えている。
ペルドモは2022年にメジャーで与四球率1.14
MLBで通算奪三振率は6.63。通算与四球率は3.15で、主力として活躍した2016年と2018年には与四球率2点台を記録した。2022年には与四球率1.14と、制球力の高さを示した。三振を四球で割って求める「K/BB」は通算が2.10だが、与四球率が2.25だった2019年には3.06、与四球率1.14を記録した2022年には4.00を記録している。
これらの数字からも、制球力がペルドモの生命線となっていることがうかがえる。2019年のリリーフ転向以降は与四球率2点台以下を記録した回数が3シーズンで2回と、先発時代に比べて向上している。1イニングに出した走者の平均を示す「WHIP」は通算1.50とやや高いが、2019年以降の3シーズンは全てキャリア平均の数字を下回っている。2019年は1.21、2022年はキャリア最高のWHIP1.14と、リリーフ転向後は走者を出す頻度自体が減少している。
ロッテに移籍した昨年の奪三振率は7.28で、与四球率は2.66。K/BBも2.73とMLB時代の通算を上回り、WHIPも1.26を記録した。
質・量ともに充実した強力リリーフ陣は、オリックスのリーグ3連覇を支えた強みの1つだった。今季はクローザーの平野佳寿投手をはじめ、山崎颯一郎投手、山岡泰輔投手、比嘉幹貴投手、小木田敦也投手といった連覇に貢献した投手が相次いで故障で戦列を離れている。ペルドモは文字通りの「救世主」となる可能性も大いにあるはずだ。
(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)