オリにまだ眠る逸材…19歳が見据える“野望” 着実に遂げる進化、目標へ試行錯誤の日々
オリックスのドラフト2位・河内が続ける“成長”
オリックスのドラフト2位・河内康介投手が、1学年先輩の齋藤響介投手を目標に、着実に進化を遂げている。「また1つ、課題が潰せたように思います」。充実感に溢れる“逸材”がプロ入り初の夏を迎える。
胸を張ったのは、5月4日のプロアマ交流戦(日本製鉄瀬戸内戦)だった。先発登板し3回を38球、1安打無失点。3回2死二塁で、カウント2-1から直球をファウルで4球粘られたが、7球目のスライダーで空振り三振に仕留めた。「真っすぐで粘られましたが、最後はスライダーで打ち取れる気がしていました」と思い通りにボールを操った。
前回登板の反省があった。ウエスタン・リーグ初先発となった4月27日のくふうハヤテ戦で、2回を2安打無失点の投球を見せたが、初回の先頭打者を3球で追い込みながら、2-2からの5球目、真ん中へ入ったスライダーをレフトに運ばれた。
「良い形で自分のペースに追い込んだのですが、フルカウントになるのがちょっと嫌な感じもあって……。その気持ちの緩みでボールが中に入ってしまいました。すごくもったいないなと思いました」
同じ失敗を繰り返さなかったことが、5月23日の広島戦にもつながった。初回に育成出身で前日まで打率.380を記録して首位打者だった先頭・佐藤啓介内野手(静岡大)から3者連続三振を奪うなど、5回を60球、5安打2失点とまた一歩、成長した姿を披露した。
「響介さんのように、2軍で結果を残してシーズン終盤にチャンスを掴みたい」
19歳の河内は大阪府出身。聖カタリナ高(愛媛)時代に甲子園出場経験はないが、肘を柔らかく使ったフォームから最速150キロのストレートと切れ味鋭いスライダーで「隠れた逸材」と高く評価されていた。
プロ1年目で目指すのは、齋藤だ。齋藤は2022年ドラフト3位で入団し、ルーキー年の昨季、2軍戦で11試合に登板。9月26日の西武戦に先発で1軍デビューし、4回2安打無失点。球団として45年ぶりの高卒新人の初登板初先発、初勝利こそは逃したが、最速150キロで3奪三振と首脳陣の期待に応えた。
「(現在は)ストレートの球速は上がっていませんが、スライダーやカーブの精度は上がったと思います。響介さんのように、2軍で結果を残してシーズン終盤にチャンスを掴みたいですね」。ウエスタン・リーグでは6試合に登板して防御率1.76と奮闘中。同期の高卒投手4人の先頭を走り、戦力になる日を夢見る。
(北野正樹 / Masaki Kitano)