阿部監督もお手上げ「見事に失敗」 天敵虎右腕に18回2/3無得点…実らなかった策

巨人戦に先発した阪神のジェレミー・ビーズリー【写真:矢口亨】
巨人戦に先発した阪神のジェレミー・ビーズリー【写真:矢口亨】

二岡ヘッド「今日に関してはもったいない凡打もあった」

■阪神 2ー0 巨人(15日・東京ドーム)

 天敵を討て──。巨人は15日の阪神戦(東京ドーム)で、来日2年目右腕のジェレミー・ビーズリー投手に6回5安打無失点に封じられ、0-2で敗れた。ビーズリーには5月25日の試合(甲子園)でも6回を3安打無失点に抑えられており、今季2戦2敗で12イニング無得点。昨季(先発1、救援2)を含めると、通算18回2/3で1点も取れていない。

 なすすべもなく敗れたわけではない。阿部慎之助監督は試合後、「今日はちょっと、俺が出した作戦があって、俺が責任をかぶると言ってやりましたが、見事に失敗しました。失礼しました」と頭を垂れた。作戦上のことだけに多くは語らなかったが、狙い球に工夫があったようだ。それでも攻略できなかった。

 この日もビーズリーは最速151キロのストレートにスライダー、カットボール、スプリットなど多彩な変化球を交えて快投。巨人は4回2死から一、二塁の好機を作るも、佐々木俊輔外野手がカウント1-2で外角低めのスプリットを振らされ三振に倒れた。第1、第2打席でビーズリーのストレートを捉え、連続安打を放っていた丸佳浩外野手も、5回の第3打席ではカウント1-2から、やはり外角低めのスプリットで空振り三振に仕留められた。

 二岡智宏ヘッド兼打撃チーフコーチは「今日に関しては、もったいない凡打もあって、うまく対応できていれば……というところでした。作戦的なことは詳しく言えませんが、(特定の球種を)狙ったバッターもいましたが、狙ってもなかなか(うまくいかなかった)」と語り、「(次回対戦へ向けて)選手と話しながらやっていかないといけない」と表情を引き締めた。

阪神戦の指揮を執った巨人・阿部慎之助監督【写真:矢口亨】
阪神戦の指揮を執った巨人・阿部慎之助監督【写真:矢口亨】

痛烈二塁打も…大城卓「いろいろな球種を万遍なく投げてくる」

 ビーズリーに対してピカイチの当たりを放ったのは、「5番・一塁」で出場した大城卓三捕手だった。第1打席は見逃し三振、第2打席は三邪飛に倒れていたが、6回2死走者なしでの第3打席で、カウント1-0から真ん中低めの145キロのストレートを引っ張り、痛烈に一塁線を破って二塁打とした。

 大城卓は「初球がボールだったので、2球目はストライクゾーン内に来たら積極的に打っていこうという感じでいきました」と説明。ビーズリーとの前回対戦では2軍調整中で不在だったが、この日の印象を「全ての球種でストライクを取れて、いろいろな球種をいろいろなカウントで万遍なく投げてくる感じ。的を絞りづらかったです」と表現した。

 大混戦のセ・リーグはついに、首位・巨人から4位・阪神まで0.5ゲーム差。勝負の球宴明けへ向けて、これ以上ビーズリーの思い通りにやられるわけにはいかない。阿部監督は「ずっと同じやられ方をしてしまっている。なんとか、また違う策を考えてきます」とリベンジを誓った。“見るのも嫌な存在”で終わらせるわけにはいかない。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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