壁一面“大谷ユニ”でも…着ている人は少ない? 球宴前日、現地で見た本拠地ファンの熱気
HRダービーの観客が着ているユニホームを調べたら…やはり多い“地元ファン”
“本拠地”の熱気を感じさせられた2日間だった。オールスター戦前日の恒例イベント、ホームランダービーが15日(日本時間16日)にグローブライフフィールドで行われた。今回はテキサスでの実施ということもあり、レンジャーズの選手を応援するファンが目立った。一方、MLBのユニホーム売上げ1位に輝き、グッズショップでも売れているはずのドジャース・大谷翔平投手のユニホームを着用しているファンは少なく見えた。
球場の1階コンコースを歩いていると、レンジャーズや同州に本拠地を置くアストロズのユニホームを着用するファンで溢れていた。大谷のユニホームはグッズショップでは壁一面に並べられるなど、“大人気”のはずが意外と着ている人が少ない――。
場内をぐるりと囲むコンコースを2周して調べてみると、歩いていたファンの約1/4にあたる150人ファンが選手の名前の入ったユニホームを着用。レジェンド選手から最近の選手まで、50選手以上のユニホームが見て取れた。選手別に数えると、この日のホームランダービーにも出場したレンジャーズのアドリス・ガルシア外野手が1位の22人。2位は同チームのコーリー・シーガー・内野手の19人、3番目に多かったのが大谷で10人だった。
大谷は2023年9月末、2024年7月発表のユニホーム売上げではともに球界1位。昨年はオールスターの大谷のユニホームは、発売後すぐ売り切れになっていた。今回は対策のために会場付近のショップには大量に在庫が確保され、ショップ店員も、大谷のグッズは「たくさん売れている。再入荷するほどだ」と話していた。人気なのは間違いないが、“本拠地”には勝てないのかもしれない。
地元選手には割れんばかりの歓声…ライバルには大ブーイング
ダービーを観戦していたハビアーさんは、家族4人で青いレンジャーズのユニホームを着用。夫婦でセミエン、幼い娘2人はイバン・ロドリゲスとガルシアのユニホームを着ていた。「家族でレンジャーズファンなんだ。セミエンは本当に好きな選手だよ。しかもいい選手だ。家族想いで、なんでもできるからね」と興奮気味に話してくれた。
ガルシアはファーストラウンドで敗退となったが、登場の際にはスタンディングオベーションで迎えられ、打撃中はずっと大歓声だった。
14日(同15日)にはドラフトが行われた。会場はグローブライフフィールドから車で20分ほど離れ、普段はロデオが行われているカウタウンコロシアム。土の上に会場が設置されていた。テキサスを存分に感じられる会場にはもちろんレンジャーズファンが集結。ライバル球団であるアストロズの指名の際には耳をふさぎたくなるような大ブーイングが起こり、レンジャーズが指名する際には大きな拍手と歓声が起こっていた。
日本に比べると、メジャーリーグのファンの歓声とブーイングは圧が一味違う。ドラフトとホームランダービーで本拠地ファンの凄まじさを感じた2日間だったが、本番はまだ残っている。昨年初の世界一に沸いたテキサスが、また大盛り上がりする1日となりそうだ。