新婚旅行中に受けた残酷な電話 1.5億円超えが900万円に…元助っ人を襲った“悲劇”

楽天でプレーしたブランドン・ディクソン【写真:荒川祐史】
楽天でプレーしたブランドン・ディクソン【写真:荒川祐史】

引退を発表したディクソン氏は2021年に楽天で38試合に出場した

 2021年に楽天でプレーしたブランドン・ディクソン氏は、今年2月29日(日本時間3月1日)に自身のX(旧ツイッター)で現役引退を発表した。2019年オフに起きた“悲劇”を明かし、ファンからも同情の声が集まっている。

「2019年、私は受け入れることができなかった、100万ドル(約1億5000万円)以上オファーを提示された」とディクソン氏。この年タイガースでは、118試合出場というキャリアハイのシーズンを過ごし、チームトップの15本塁打をマークしていた。

 しかしチームは低迷していたため「ワイルドカード圏内から60ゲームくらい離れているような感じだったので、最後の1か月は若手に出場機会を譲った。再建モードで、私はチームの将来の構想に入っていないことは明らかだった。あっという間にオフに突入し、日韓の複数のチームから興味をもたれた。彼ら(のリーグ)は外国人枠があるので、この仕事に就けることは、めったにないこととも言える」と振り返る。

 完璧なタイミングでの移籍になるかと思われた。さらにタイガースの2倍以上のオファーを提示されていたという。しかしFAではなかったため、タイガースが移籍に合意する必要があった。当時のGMだったアル・アビラ氏とのやり取りを明かす。

「これは、(タイガースと移籍先の)2チームがバイアウト額を決めて解決される。私たちはしかるべき人に連絡をして、タイガースに対し、将来の構想に入っているのであれば残留したいし、そうでなければ家族のためにお金を稼ぎたいと伝えた。タイガースが100万ドル(約1億5000万円)のバイアウトを要求していたのに対して、日本のチームのオファーは120万ドル(約1億8000万円)だった。タイガースのGMに電話をかけたところ『チームの将来の大きな役割を果たすから、放出したくない』と返答した。彼は方針を変えるようではなかったので、私たちは日本からのオファーを見送ることを伝えた」

 しかしそれから6週間後、結婚式の翌日にハネムーン先に向かっている途中にアビラGMから電話がかかってきたという。「『悪い。君をウェーバーにかける。何件かトレードを行ったから、君のロースター枠が必要だ』と言われた」。まさかの状況も、ウェーバーで獲得する球団は現れず、日本から提示されたオファーは今や昔。「なので私はタイガースのマイナーへ向かった。その年はコロナ禍による短縮シーズンで、僅か6万ドル(約900万円)しか稼ぐことができなかった」と嘆いた。

 衝撃的な“裏話”に、ファンは「凄い話だけど、悲しい話でもある」「気の毒だ」「なんという汚い行動」「野球界は残酷だ」「信じられないほど残酷な業界」「ワオという言葉しかでてこない」「心を痛めた」「残念な話だ」などと反応。結局“1年遅れ”で来日したディクソン氏は、38試合の出場で打率.167、4本塁打、15打点でわずか1年で日本を去った。

(Full-Count編集部)

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