ベッツが外野へ逆戻り…ド軍に滲む焦り 怪我人続出で余儀なくされた“路線変更”
ベッツは復帰後右翼を守るとロバーツ監督が明言
【MLB】ドジャース 9ー5 パイレーツ(日本時間10日・ロサンゼルス)
ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は9日(日本時間10日)、ムーキー・ベッツ内野手を12日(同13日)の敵地・ブルワーズ戦から右翼で復帰すると明かした。直近まで遊撃で復帰見込みと見られていただけに急な路線変更。MLB公式サイトのフアン・トリビオ記者も「明らかにミスコミュニケーションはあった」と話す。
スプリングトレーニング時点で、ベッツは二塁を守る予定だった。しかし、怪我から復帰したギャビン・ラックス内野手の送球難で開幕直前に遊撃に転向。遊撃への思いを口にしていた中で、今度は外野手に。トリビオ記者も「彼が内野手をやりたいのは疑いようがない」と見る。
ベッツはこの日、試合形式の練習で打席に立つと、その後右翼へ移動し、外野守備をこなした。練習が終わった後に取材対応。「ただ勝ちたいだけ」と繰り返し、「現時点で自分が遊撃に留まるのは最善の選択ではない」と理解を示す。一方で、打順も大谷翔平投手が1番を継続するとロバーツ監督は明言しており、ベッツは2番になる見込み。本人も「ショウヘイがいるから。彼は本当に素晴らしいし」と話したが、少し表情に翳りもあったように見えた。
今季6月からベッツ以外にも野手ではマックス・マンシー、ミゲル・ロハス両内野手、クリス・テイラー外野手ら負傷者が続出。7月末のトレード期限を前にケビン・キアマイアー外野手、アーメド・ロサリオ、トミー・エドマン両内野手らユーティリティの野手を大量補強した。ロハスはすでに復帰し、ベッツ、マンシーらが戻ってくるのはいい兆候ではある一方で、2位パドレスとは2.5ゲーム差。開幕当初の想定とは大きく変わっている。
トリビオ記者も「1か月前まではドジャースが地区優勝するのは確実だと見られていたけど、今はそうでもない」と危機感を募らす。「だから、ベッツを外野に戻す決断はごく自然。チームにとっては外野手でシーズンを終える方がいいかもしれない。ただ、勝つしかないんだ」。結果で“正しい選択”と示すしかない。
(川村虎大 / Kodai Kawamura)