35歳でドラフト6位指名 日本人ルーキーを指揮官絶賛「年齢よりパフォーマンス」

統一から6位指名を受けた高塩将樹【写真提供:CPBL】
統一から6位指名を受けた高塩将樹【写真提供:CPBL】

35歳の高塩将樹が台湾のドラフト6位で統一入団…登板2試合目で初白星

 台湾プロ野球(CPBL)のドラフト会議は6月28日に行われ、歴史的な指名があった。統一ライオンズが35歳の日本人右腕・高塩将樹投手を6位で指名した。CPBLは2021年12月にドラフト改革を実施。台湾の中学、高校、大学で一定期間就学した外国人留学生や、台湾居住5年以上で社会人チームで3年以上プレーした外国人について外国人枠とせず、ドラフト指名の対象とするというルール改正だ。台湾では、台湾大学球界で活躍し、このルール改正のきっかけとなった国立台湾体育運動大学卒で現在は楽天でプレーする育成の永田颯太郎内野手の苗字を取り「永田条項」と呼ばれている。(情報は7月31日現在)

 1989年3月、神奈川県生まれの高塩は、横浜金港クラブや独立リーグの富山、福島などを経て、2016年にCPBLの合同トライアウトを受験した。合格しなかったが、2017年に台湾の社会人チーム「崇越隼鷹(現・全越運動)」に加入し、エースとして活躍。台湾アマ球界を代表する投手となった。

 帰化してアジア選手権代表入りにも意欲をみせていたが、2021年にCPBLで「永田条項」を設けるルール改正が行われたため、2022年からCPBLドラフト参加。しかし、一昨年、昨年は指名されなかった。昨年ドラフト後の8月、楽天が育成契約を締結も、リーグは外国人選手との育成契約は認められないと判断し、プロ入りは幻となった。

 腐ることなく、この1年間、安定した結果を残した高塩は、「年齢よりパフォーマンス。不安定な現状の中継ぎ陣よりも実力は上」(統一・林岳平監督)という評価を受け、3度目のドラフトで指名を受けた。CPBLで外国人選手として初めてドラフト指名を受けた高塩は2年半の複数年契約で契約金110万元(日本円約520万円)プラス出来高40万元(約188万円)、最低月給8.5万元(約40万円)、1軍月給10万元(約47万円)で契約した。2026年の月給は来季のパフォーマンスによって再度見直すという。

 7月28日の味全戦で9回にCPBL初登板、無失点に抑えた。31日の中信兄弟戦では3-4の8回に登板。いきなり一発を浴びたが、この1失点でしのぐと味方が9回に逆転。2試合目でCPBL初勝利を手にした。今回のドラフト会議には高塩のほか、甲子園出場経験のある左腕・藤木琉悠投手(興南)、文化大学の豊島顯外野手(創成館)、金本航河外野手の(武田)大学生3人が新人トライアウトを突破。ドラフト会議への参加資格を得たが、指名はなかった。

(「パ・リーグ インサイト」駒田英)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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