大谷翔平からイジられた“8箇所骨折” ド軍レポーター、悪夢の滑り台「軽く見ていた」
ヴァセイ氏はミルウォーキーの名物滑り台で計8箇所骨折…ドジャースナインから「滑らないのか?」
ドジャースが12日(日本時間13日)から4連戦を戦っているブルワーズの本拠地・アメリカンファミリーフィールドの左翼には大きな滑り台が設置されている。マスコットのバーニー・ブルワーが滑り降りるのが恒例となっているが、ドジャースのレポーター、デビッド・ヴァセイ氏には、苦い記憶がある。
「今回は滑らないの?」。試合前のクラブハウスでヴァセイ氏を見つけたブレイク・トライネン投手が早速イジった。2022年8月、ヴァセイ氏はこの滑り台を滑り降りた際に勢い余って壁に激突。肋骨を6本、手首の骨を2本折った。今でも右手首には2枚のプレートが入っている。「最低でも毎日1回誰かが、私の手首の状態を聞いてきます」と苦笑いする。
カリフォルニア州ラジオ局「AM570 LA Sports」のレポーターを務めるヴァセイ氏は、テレビの撮影で滑り台を滑ることをお願いされたという。1回目は成功するも別アングルの撮影もしたいと要望を受け、2回目に挑戦。「制御不能になってしまったのと、滑り台を軽く見ていました」。高速で滑ると、壁に衝突し脇腹との間に右腕が挟まった。30秒ほど転げ回って悶絶した。
ドジャースナインはヴァセイ氏に愛あるイジリをした。治療中には「ジャスティン・ターナー(現マリナーズ)とコディ・ベリンジャー(現カブス)がサンドイッチをプレゼントしてくれました」。ミルウォーキーの緊急外来に搬送されると、ムーキー・ベッツ内野手がビデオ電話をしてくれたという。「5回の中継には間に合うように戻りましたよ」。左手にマイク、右手にギプスという状態でインタビューを行った。
ヴァセイ氏が骨折した動画は拡散され、SNSで大反響となってしまった。当時エンゼルスだった大谷翔平投手も視聴済み。昨年12月、ドジャース入団会見時にヴァセイ氏が「ミルウォーキーの滑り台だけは避けてください」と自虐的にアドバイスを送ると、「骨折した人は見ているので、乗らないです」と絶妙な切り返しで笑わせていた。
あれから2年。ドジャースナインは再挑戦を求めるが、トライはしていないという。「オオタニに言われたらやるしかないです。彼からまだ『滑れ』と言われていませんが……」。トラウマ克服はもう少し時間がかかりそうだ。
(川村虎大 / Kodai Kawamura)