2軍球団の“安打製造機”は「十分NPBでやれる」 監督太鼓判…逸材24歳が評価急上昇
打率&安打数1位…オイシックスの知念「今年に懸ける思いで新潟に来た」
今年から2軍に参入したオイシックス新潟に、注目すべき存在がいる。今秋ドラフト候補にも名前が挙がるのが、知念大成外野手だ。現在、打率.316、90安打は2軍トップ。沖縄尚学高を卒業後に5年間過ごした沖縄電力を昨年限りで辞め、NPB入りへ「今年に懸ける思いで、覚悟を持って新潟にきた」という24歳。巨人や楽天などで豊富な指導歴を持つ橋上秀樹監督も「総合的に見ても十分NPBでやれる」というほどの存在感を示している。(数字は全て15日現在)
目をギラつかせ、次の塁を狙う。知念からにじみ出る“貪欲さ”は、橋上監督をも唸らせる。「足もあって肩もいいし、バットコントロールが巧み。それにNPBに絶対に行くんだという気持ちの強さが一番。あそこまで泥臭いやつ、今のNPBにはなかなかいない。ちょっと昔ながらの、昭和の匂いがする1番打者という感じかな」。その姿勢でとにかくガムシャラに、安打を積み重ねてきた。
沖縄電力時代は、社会人ならではの一発勝負を何度も経験し「野球の怖さを知って、必死さが出てきたのかなと思います」。それにプラスして、今年はイースタン・リーグとはいえ1軍出場経験のある多くの投手との対戦も経て「相手の方が格上なので、泥臭くやらないと戦えない。言い方は悪いですが、プライドは捨ててやっています」と話す。知念の“らしさ”が築かれた。
ここまで82試合で打率.316(285打数90安打)、4本塁打、30打点、12盗塁。特筆すべきは三振の少なさで、311打席に立ってわずか22だ。とにかくバットに当てて出塁を目指し、内野安打も12本を数える。
本人は至って冷静に「まだ今のままでは(ドラフトに)かからないと思うので、もっとレベルアップしないといけない。チャンスに強い打者になっていかないといけないと思っています」と自己分析する。24歳という年齢は決して若くはない。少しでもアピールを重ねないといけないことは、十分に分かっている。
「走攻守、そこが自信なので、ずば抜けた数字を残せるように、見えない部分でも取り組んで、数字にも表れれば一番いいのかなと思います」と知念。2か月後の吉報を信じて――。まずはシーズン最後まで快音を奏で続ける。
(町田利衣 / Rie Machida)