周東佑京、栗原陵矢…負傷離脱で感じた“頼もしさ” 柳田悠岐が語る画面越しの仲間たち
画面越しに見た後輩の姿…柳田が語る思い
明るい表情で練習する姿にギータらしさが溢れていた。「右半腱様筋損傷」で離脱中のソフトバンク・柳田悠岐外野手は今、ファーム本拠地「HAWKS ベースボールパーク筑後」で復帰に向けてリハビリに励んでいる。本拠地「みずほPayPayドーム福岡」がある福岡市から離れた筑後市で、若鷹たちと炎天下で汗を流している。
5月31日の広島戦(みずほPayPayドーム)で、二ゴロを放った際に右ハムストリングを痛め、6月1日に出場選手登録を抹消された。負傷から2か月半ほど経った22日、離脱後初めて自身の状態について口を開いた。
「やっぱりいいパフォーマンスで(1軍に)上がらないと意味がないと思いますし、そのために今やれることをしっかりやるというか、そっちを大事にしています」
20日から屋外でのフリー打撃を再開した。回復ぶりは「7割ぐらい」。シーズン中の復帰に期待が高まるが「本当に全くわからないんですけど、その日その日でトレーニングがあるので、それをしっかりやっていくだけかなと思っています」と、復帰時期については明言しなかった。
「いや、もうどこでも。2軍の試合でももちろんいいですし、まずは野球ができればいいかなと思うので。どこというよりも、歩けなかった状態から、そういう風な状態に持っていくっていうのがすごい大事かなと思ってます」
もちろん、柳田の離脱はチームに大きな衝撃を与えた。小久保裕紀監督が「柳田の穴を埋めようというのは考えなくていい」と選手に伝え、今宮健太内野手も「自分が柳田さんの代わりっていうのは正直無理なので」と口にしていた。主砲の突然の離脱に、選手たちも戸惑いを隠せなかった。
選手会長の周東佑京に「自信になって成長するんじゃないかな」
そんな中でもチームは白星を積み重ね、独走態勢を築いている。柳田に代わって3番に座るようになったのは栗原陵矢内野手。柳田は「こうやって3番でずっと試合に出ていく選手だと思うので、これからもずっとそういう選手であり続けてほしいなと思います」。打率.265、12本塁打、60打点の成績を残し、懸命に戦う姿を称えた。
今季から選手会長を務める周東佑京内野手についてもこう語る。「そういう立場だと思いますし、多分、彼なりに色々考えてプレーしていると思います。それがチームの結果に繋がっているので、また、それが自信になって成長するんじゃないかなと思います」。6月以降、画面越しで見る後輩たちに頼もしさを覚えている。
ここ3年間で成し遂げられなかった優勝に、チームは着実に近づいている。輪の中にいられなかったもどかしさも、きっとある。それでも、今は少しずつできるようになってきた野球を楽しめるようになってきた。3日連続で行った打撃練習の最後の1球。打った瞬間に「おりゃー!」と大声を出した柳田の打球は、右中間の防球ネットに軽々と突き刺さった。
(飯田航平 / Kohei Iida)