5億7900万円を“固辞”…ダルビッシュがみせた漢気とGMの誠意、代理人が語った背景

パドレス・ダルビッシュ有【写真:荒川祐史】
パドレス・ダルビッシュ有【写真:荒川祐史】

ダルビッシュは「家族に関わる個人的な事情」で制限リストに48日間入っていた

 7月6日(日本時間7日)に「家族に関わる個人的な事情」(マイク・シルト監督)により、負傷者リスト(IL)から制限リストに移行。8月23日(同24日)にチームに合流したパドレスのダルビッシュ有投手が、制限リストに入っていた48日間で約400万ドルの給与を“辞退”したことに、代理人のジョエル・ウルフ氏が米メディアの取材に応じ“背景”を説明。ダルビッシュに対して親身に接したAJ・プレラーGMに「心から尊敬の念を抱いている」と語った。

 米メディア「ジ・アスレチック」は24日(同25日)に「ユウ・ダルビッシュの代理人が、特異な状況に対してのAJ・プレラーGMの対応を称賛した」のタイトルで長文を掲載。記事を要約すると、代理人のウルフ氏は、パドレスと1億800万ドル(約156億円)の契約を結んでいるダルビッシュが家族の私的な問題に対処するために休養を取った際、プレラーGMがダルビッシュにILに留まり、給与を受け取り続ける提案をしたことを認めた。

 しかし、ダルビッシュは異例の決断を下し、制限リストに入ること選択。その期間の48日間分の給与に当たる約400万ドル(約5億7900万円)を受け取らず、球団は節約することができた。離脱の間も、ずっと、プレラーGMはダルビッシュと連絡を取り続け、寛大さを示していたという。

「選手を知るということはさほど稀なことではないだろうが、本当に時間をかけて耳を傾け、理解し、真の友人になるというのは珍しいこと……フロントオフィスの幹部と選手の間でこれほどの個人的なつながりを見ることはほとんどない」

 ウルフ氏は続ける。「トップの先発投手に対してのGMがどのような反応を示すのが自然か考えてみてほしい。彼がその選手やチームに対して投資してきたすべてのことも想像してほしい」。それでも「(プレラーGM)は1度も、彼にプレッシャーをかけたり、チームメートや誰かに迷惑をかけていると感じさせたり、義務感を押し付けたりすることはなかった」と明かした。

「そしてその一方で、AJ(プレラーGM)は最初からダルビッシュに60日間の負傷者リスト入りの機会を与えていた。私がこれまで代表した他の選手なら誰もがそうすることを選択しただろう。しかしダルビッシュは『いや、それはしない』と答えた。契約を結んだときにピーター・サイドラー元オーナー(故人)とAJに対して交わした約束があったからだ」

 ダルビッシュとプレラーGMが初めて会ったのは10年以上前。プレラーは2012年にダルビッシュがレンジャーズと契約した際にレンジャーズの幹部だった。そしてパドレスが2014年にプレラー氏をGMとして雇った、と言及。今回の一連の対処の仕方に対し、ウルフ氏は「心から尊敬の念を抱いている」と述べていた。

(Full-Count編集部)

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