デコピンは「よく訓練されている」 大谷翔平と見事な“演出”…専門家が見た共同作業

始球式に登場したドジャース・大谷翔平と愛犬デコピン【写真:ロイター】
始球式に登場したドジャース・大谷翔平と愛犬デコピン【写真:ロイター】

デコピンが始球式に登場…ボールを咥えて大谷に届けた

【MLB】ドジャース 6ー4 オリオールズ(日本時間29日・ロサンゼルス)

 愛犬への注目度も再上昇中だ。ドジャース・大谷翔平投手と愛犬「デコピン」は28日(日本時間29日)、本拠地・オリオールズ戦で始球式に登場した。愛犬がボールを咥えて捕手役の大谷に届けた“投球”には、ペットサロン「WANZ KARUIZAWA」でブリーダーを務める小川友恵さんも「よく訓練されている」と話す。

 野球界の顔として唯一無二の活躍を続けている大谷だが、プレー以外でも多くの注目を集めた。この日は今季2度目となる大谷のボブルヘッドデー。デコピンを抱えたデザインの首振り人形が限定4万人に配布された。試合開始6時間前から長蛇の列ができ、開門が2時間早まるなど異例の事態になっていた。

 試合前には愛犬のデコピンが“始球式”を務めるという、これまた異例のイベントが開催された。デコピンは大谷に抱きかかえられながら、マウンドへ登場。マウンド上に降ろされると、捕手の位置まで走る大谷を見つめながら大人しくその場で待機した。合図を確認するとボールを口に咥え、ホームベース後方の大谷へ一直線に駆け、最後はハイタッチ。見事な“ストライク投球”に球場は大歓声に包まれた。

 愛犬と意思疎通を図るのは簡単なことではない。お座りやお手など、比較的多くの犬が覚えられる合図はあるが、“始球式”レベルはなかなか見ない。SNSでも話題となったこの“お利口ぶり”を専門家に伺った。

 長野県軽井沢町でトリミングやトレーニングなど、幅広く手掛ける「WANZ KARUIZAWA」のコーイケルホンディエブリーダーの小川友恵さんは、「能力が高いことが特徴な犬種なので、驚きはありませんでしたが、よく訓練されているなと思いました」と率直な印象を語った。

 救助犬として活躍することもあるほど頭が良いのが、コーイケルホンディエという犬種の特徴。それでも、今回の始球式のようなパフォーマンスを習得するには最低2週間ほど時間かかるという。さらに、大勢の観客やチームメートの前で落ち着いた姿を見せたデコピンについて、小川さんは「大谷さんたちの育て方が良かったのだと思います。コーイケルホンディエという犬種は、トレーニングを通じてポテンシャルが伸びるので、この犬種は頭が良いから、知らない人を見分けられる力があります。小さな頃から、多くの人と触れ合ったのではないでしょうか」と考察した。

 デコピンの知性と忠実さ、そして大谷夫妻からの愛情がよく伝わるシーンに心が温められた。ただ、大谷がデコピンを飼ったことで、同じ犬種を飼いたいという要望も増えたのも事実。「決断する前に、犬のことを勉強してもらって、費用や時間に余裕がある人に飼ってもらうのが幸せだと思います」と本心も明かしてくれた。大谷夫妻のように犬のための幸せを願える人が増えることを願うばかりだ。

(木村竜也 / Tatsuya Kimura)

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