誰もが望む“復活”への道のり T-岡田「もう大丈夫」…慕われる36歳が突き進む道
オリックス・T-岡田、大阪・舞洲の残留練習で流した汗
36歳。プロ19年目のオリックス・T-岡田外野手が9月10日のウエスタン・リーグ、ソフトバンク戦(京セラドーム)で故障からの再起を目指す。「あとは走ることですが、それができるようになれば。でも、もう大丈夫ですよ」。8月中旬以降、下半身のコンディション不良で戦列を離れ、大阪・舞洲で汗を流しているT-岡田に笑顔が戻った。
T-岡田は履正社高(大阪)から2005年高校生ドラフト1巡目でオリックスに入団。プロ5年目の2010年には33本塁打を放ち、本塁打王に輝いた“浪速の轟砲”。2021年には17本塁打を放ち、通算200本塁打を記録したが、翌2022年の春季キャンプで足を痛めて36試合出場にとどまった。
3年ぶりに怪我なくキャンプを無事に過ごした今季は、オープン戦、教育リーグの序盤7試合で13打数5安打、打率.385と結果を残し、開幕1軍に名を連ねた。しかし、序盤の3試合に出場(5打数無安打)しただけで、再調整のため出場選手登録を抹消された。それ以降、ファームが主戦場となった。今季は37試合に出場して81打数10安打の打率.123。1本塁打、2打点と再浮上のきっかけを掴めていない。
出場機会に恵まれない時には室内練習場でマシンと向き合い、鈴木昂平育成コーチに打撃投手を依頼し、納得するまで打ち込んできた。「結果がほしい」と吐露したこともあったが、良い当たりの打球が野手の正面をつく場面も多かった。
「いい打ち方をすれば、当たりが良くなくてもヒットになることがあります。バッティングって、そんなもんなんです。相手のピッチャーに合わせていくものなので。どんなピッチャーがこようが、それに合わせていかないといけない。難しいといえば、難しいですね」
下半身のコンディション不良で8月13日の阪神戦(鳴尾浜)を最後に実戦から離れている。バッティングは継続して練習しており、チームが遠征(阪神戦、安芸)から戻る9月10日のソフトバンク戦が復帰の舞台となる見込み。「もう試合に出てもいい状態ですが、リハビリ組は基本的に遠征には連れて行ってもらえないので。次は頑張ります」。残留練習で懸命に汗を流す。
多くのファンが、そしてナインが――。オリックス関係者の全員が「Tさん」と慕い、最も復活を願う選手。このまま終わってほしくない。
○北野正樹(きたの・まさき)大阪府生まれ。読売新聞大阪本社を経て、2020年12月からフリーランス。プロ野球・南海、阪急、巨人、阪神のほか、アマチュア野球やバレーボールなどを担当。1989年シーズンから発足したオリックスの担当記者1期生。関西運動記者クラブ会友。2023年12月からFull-Count編集部の「オリックス取材班」へ。
(北野正樹 / Masaki Kitano)