引退のT-岡田は「球界でのお父さん」 育成出身の川瀬堅斗が叶えたい“感謝の夢”

オリックス・川瀬堅斗(左)とT-岡田【写真:北野正樹】
オリックス・川瀬堅斗(左)とT-岡田【写真:北野正樹】

オリックス・川瀬堅斗、T-岡田の引退試合で「マウンドに立ちたい」

 寂しい“別れ”も笑顔で立ち会う。オリックスの川瀬堅斗投手が、球界での「父」と仰ぐT-岡田外野手の現役引退を受けて、決意を新たにしている。

「球界でのお父さんです。育成時代からよく声を掛けていただきました。『もっとちゃんと投げろよ!』という厳しい言葉なのですが、雰囲気はイジリのような感じです。頑張って支配下登録選手を目指せよとか、いろんな意味を込めての言葉なんだろうと思って受け止めていました」

 いつもの人懐っこい笑顔から、一瞬で真剣な表情に戻ってT-岡田への思いを語った。川瀬は大分商から2020年育成ドラフト1位でオリックスに入団。36歳のT-岡田と22歳の川瀬の距離が縮んだのは、入団1、2年目のことだった。

「リハビリがTさんと一緒で、そこから親しくさせていただきました。ご飯にも誘っていただき、そこからですね」。T-岡田の盟友、安達了一内野手兼任コーチともその縁で親しくなり、同年代の友人のように“タメ口”に近い雰囲気で会話をする仲になった。

 入団4年目の今年7月。奮闘を続けた川瀬は支配下選手登録をされ、プロ野球生活の再スタートを切った。「ずっと励ましていただいたTさんが引退される年に支配下になれたのも、何かの縁を感じます。Tさんや安達さんが現役の時に支配下になれてよかったと思います」。しみじみと振り返る。

 引退試合となる24日の西武戦(京セラドーム)には「2人に守っていただいてマウンドに立ちたいですね」と気持ちを強くする。恩返しの登板を果たすためにも、このまま1軍に定着して成長した姿を見てもらいたい。

○北野正樹(きたの・まさき)大阪府生まれ。読売新聞大阪本社を経て、2020年12月からフリーランス。プロ野球・南海、阪急、巨人、阪神のほか、アマチュア野球やバレーボールなどを担当。1989年シーズンから発足したオリックスの担当記者1期生。関西運動記者クラブ会友。2023年12月からFull-Count編集部の「オリックス取材班」へ。

(北野正樹 / Masaki Kitano)

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