大谷翔平、“立ちっぱなし会見”は「本人の希望」 伝説の51-51…謙虚さ光った11分間

マリーンズ戦後、取材に対応したドジャース・大谷翔平【写真:荒川祐史】
マリーンズ戦後、取材に対応したドジャース・大谷翔平【写真:荒川祐史】

敵地で行われた51-51会見、大谷の椅子も用意されなかった

【MLB】ドジャース 20ー4 マーリンズ(日本時間20日・マイアミ)

 伝説の1日も謙虚な大谷翔平は変わらなかった。マーリンズ本拠地のローンデポ・パークで行われた「51-51」会見。前人未到の大記録を樹立したスーパースターはウィル・アイアトン通訳と立ったままだった。

「うれしさと安堵と、それと同時に記録を作ってきた先輩方へのリスペクトというか、そういう気持ちでいます」。日米メディアによる質問は合計17問。喜びを噛み締めるようにして語った。

 記者に用意された約30席はビッシリと埋まったが、大谷とアイアトン通訳が座る椅子は会見場に用意もさせてなかった。3打席連発を含む6安打10打点と“超ハイカロリー”だったのに……。だが、これは「本人の希望」だったという。「オオタニは立ったまま話すのが好きなんだ。エンゼルス時代からそうでしょ」。会見後、球団関係者はその裏側を明かした。

 メジャー1年目の2018年は、会見場で座って行われた。だが、取材スタイルは年々変化。コロナ禍はオンライン取材だったものの、コロナ禍の取材規制が解かれた2022年以降は、どんなに狭い場所でも記者が二重三重に取り囲む、いわゆる“囲み取材”となった。

 なぜ、狭いところでも囲み取材なのか――。当時のエンゼルス関係者の回答はこうだった。「記者の皆様に対して座って取材を受けるのが苦手みたいです。偉そうになるのが嫌なのでしょうか……」。

 先日、大谷の花巻東の後輩に当たる佐々木麟太郎の公開練習も、記者が座り、佐々木本人が立つ取材スタイルだった。佐々木は「今日は暑いので、私が立たせてください」と語っていた。謙虚すぎる取材スタイルは、花巻東の伝統なのだろうか。いずれにしても大谷の謙虚さが光る11分間の会見だった。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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