14勝の今永でも及ばぬ…日本人右腕の「4.7」 先駆者が過ごした“衝撃の1年目”

カブス・今永昇太(左)とドジャース時代の野茂英雄氏【写真:ロイター、Getty Images】
カブス・今永昇太(左)とドジャース時代の野茂英雄氏【写真:ロイター、Getty Images】

1年目から抜群の成績を収めている今永…野茂の1年目と比較

 カブスの今永昇太投手は移籍1年目のシーズンでここまで28試合に先発し14勝3敗、防御率3.03の好成績をマーク。新人王投票でも間違いなく票を獲得しそうだが、日本人投手の1年目で最も衝撃的な活躍を見せたのが、野茂英雄だ。データを見てみると、勝利への貢献度を示すWAR(ベースボールリファレンス)では、これだけの好投を見せた今永に大きな差を付けている。

 野茂はドジャース1年目の1995年、28試合で13勝6敗、防御率2.54をマークしてサイ・ヤング賞投票4位に入り、236奪三振でタイトル、新人王に輝いた。同年のWARは4.7で、翌1996年と並んで野茂がMLBでマークしたWARでは最高となっている。さらに、1995年はイニングあたりに平均してどれだけ出塁を許したかを表す指標「WHIP」はMLBのキャリアで最も低い1.056をマークしていた。

 今永は、21日(同22日)時点で野茂の1年目と同じく28試合に登板。WHIPだけを見れば1.028と野茂よりも低いが、WARは2.7。野茂は28試合の中で3完封を含む4完投をマーク。今永よりも35イニング多く投げており、奪三振数は今永が170なのに対して野茂は236と大差を付けており、その投球内容でWARを稼いだ。

 今永は22日(同23日)も含めて残り2回の登板機会が予想されるが、15勝に到達すれば、日本人左腕として初。すでにカブスのエースとして信頼を得ており、野茂同様に歴史に名を残すシーズンとなったのは間違いない。

(Full-Count編集部)

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