打率.372のイチローを凌駕 天才24歳が衝撃数値「139」…初のタイトルの“凄み”

ロイヤルズのボビー・ウィットJr.【写真:ロイター】
ロイヤルズのボビー・ウィットJr.【写真:ロイター】

2004年のイチローはシーズン262安打&打率.372も…

 ア・リーグは29日(日本時間30日)、レギュラーシーズンの全日程が終了。ロイヤルズのボビー・ウィットJr.内野手が打率.332で初の首位打者のタイトルを手にした。32本塁打、31盗塁を記録し、ドジャース・大谷翔平とともに「トリプルスリー」を達成。史上27人目の偉業を成し遂げた。もっとも、ウィットJr.の“傑出度”は驚異的な水準に達している。

 最終戦となった敵地・ブレーブス戦に「2番・遊撃」で先発出場。初回の第1打席で内野安打を放ち、首位打者の座を確固たるものにした。昨年は球団史上初の「30-30」を達成してブレークしたが、今季も躍動。2年連続の「30-30」は遊撃手史上初の快挙だった。

 24歳にして球界屈指のスターへと成長し、MVP投票で重要視される勝利貢献度WAR9.4はヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手(10.8)に次ぐメジャー2位。大谷の9.2を上回った。また、注目すべきは打率の傑出ぶりだ。

「AVG+」という指標がある。リーグ平均を100としてどれだけ打率が優れているかを示し、球場や環境、時代の違いも考慮されているので、異なるシーズンやリーグの傑出度を比較することができる。米データサイト「ファングラフス」によると、今季のウィットJr.のAVG+は139。2004年にシーズン最多262安打を放ち、打率.372を記録したイチロー(138)に勝る。

 今季のメジャー平均打率は.243。近代野球とされる1920年以降では歴代ワースト4位の水準で、投高打低のシーズンだった。一方でイチロー氏が記録を樹立した2004年の平均打率は.266。同期間では歴代31位の打高投低の環境だった。打率上はウィットJr.がイチローに.040も後塵を拝しているが、「AVG+」では“逆転”。今季の活躍は表面的な数字だけでは測れない、真に歴史的な1年だった。

【写真】「とても美しい!」肩出しドレスの婚約者と笑顔のウィットJr.

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