「現役を続けたいんやろ!」 宗佑磨に飛んだ“愛のゲキ”…「このままじゃ終われません」

オリックス・宗佑磨【写真:北野正樹】
オリックス・宗佑磨【写真:北野正樹】

オリックス・宗佑磨「打撃は変えなくてはいけないところを探しています」

 ピンチをチャンスと捉えている。シーズン終盤を2軍で過ごしたオリックス・宗佑磨内野手が打撃力向上を目指し模索を続けている。「ここ2年、あまり結果が残せていないと自分でも思いながらやってきました。打撃は変えなくてはいけないところを探しています。このままじゃ、終われません」。大阪・舞洲で、ウエスタン・リーグの試合を終えた後、静かに口を開いた。

 宗は横浜隼人高から俊足好打の遊撃手として2014年ドラフト2位でオリックスに入団。プロ5年目に外野手に転向したが、内野手に再転向。高い身体能力を生かしたダイナミックな守備と素早く正確な送球が評価され、中嶋聡監督が就任した2021年から「三塁」の定位置をつかんだ。

 2021年に139試合に出場して以来、3年連続で三塁手のゴールデングラブ賞に輝くなど、攻守でチームを支えてきた。しかし、2021年に.272、2022年に.275だった打率が、昨季は怪我もあり.245に終わってしまった。

「守備が上手くても下手でも、打つヤツが出るんです。首脳陣は調子がいいと思った選手を使うので、そこでの勝負になります。まず試合に出ること。しっかりと実力で勝ち取りたいです」。オープン戦を打率.276で終え、5月19日の楽天戦(京セラドーム)で延長11回にサヨナラ打を放つなど、打率.260前後で推移していたが、打率.228まで下降し8月23日に出場登録を抹消されてしまった。

 2軍では9月11日から試合に出場し、26日時点で9試合に出場。22打数4安打の打率.182と結果は残せていない。「なかなかいい状態が続かなかったという感じでした。同じポジションで競う選手が何人もいますから、その中で勝ち抜かなくてはいけません。結果が出ていれば同じことの繰り返しでいいのでしょうが……。打撃も変えないといけないところがあるので、それを今は探しているところです」。酷暑の舞洲で、遠征に参加しなかった山中尭之外野手、宜保翔内野手、上野響平内野手とノックを受け続けた。汗と土にまみれ、ひたむきにボールに向かい、飛びつく練習を倒れ込むまで続けた。

「まだまだ現役を続けたいんやろ!」とゲキを飛ばす波留敏夫育成チーフコーチの、厳しくも温かい声も身に染みた。「舞洲でレギュラーを目指した日々を思い出しました。若い子たちと頑張ります」。6日に行われた楽天戦では3安打。今季最終戦で好結果を残した。プロ11年目に向け、新たな自分を探す。

○北野正樹(きたの・まさき)大阪府生まれ。読売新聞大阪本社を経て、2020年12月からフリーランス。プロ野球・南海、阪急、巨人、阪神のほか、アマチュア野球やバレーボールなどを担当。1989年シーズンから発足したオリックスの担当記者1期生。関西運動記者クラブ会友。2023年12月からFull-Count編集部の「オリックス取材班」へ。

(北野正樹 / Masaki Kitano)

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