大谷が「完全に抑えられるとは考えにくい」 ダルビッシュとの最終決戦の行方…専門家予測
“大谷対ダルビッシュ”の戦績はシーズン含め8打数1安打3三振
大谷翔平投手、山本由伸投手が所属するドジャースは11日(日本時間12日)、本拠地・ドジャースタジアムでパドレスとの地区シリーズ第5戦に臨む。2勝2敗で、勝った方がナ・リーグ優勝決定シリーズに駒を進める。ドジャースの先発は未定だが、山本が務める可能性もある。パドレスは、第2戦で快投を演じたダルビッシュ有投手が中4日で先発する。
「第2戦ではダルビッシュの多彩な変化球にかわされた大谷ですが、シーズン中に対戦したこともありますし(今季5打数1安打2三振、対戦打率.200)、間隔を空けずに第5戦を迎えることになるので、球筋も頭に残っているはずです。たとえば、第2戦で非常に有効だったカーブが高めに来たら、今度は長打にするかもしれません」
大谷VSダルビッシュ第2ラウンドの展開をこう予想するのは、現役時代にNPB通算2038安打を放ち、MLB中継の解説を務めている新井宏昌氏だ。
6日(同7日)の第2戦ではダルビッシュの投球術が光った。大谷は3打数無安打1三振。特に6回先頭での第3打席は、6球のうち3球が110キロ台のカーブで大谷はとらえ切れず、最終的にボテボテの投ゴロに倒れた。
ただ、大谷はその後の第3、第4戦で余計な力みが消え、上り調子。新井氏は「仮に2、3打席対戦するとすれば、1度は大谷がいい結果を残すのではないでしょうか。それがヒットなのか、ホームランなのかはわかりませんが、今回は完全に抑えられるとは考えにくい。それくらいの状況、状態にあると思います」と分析する。「ダルビッシュとしては絶対に長打を食らわないことを心掛けながら、両サイドを投げ分けるか、緩急をつけて丁寧な投球をするはずです」と占った。
ドジャース先発に3つの選択肢「後半ブルペン勝負の可能性高い」
ドジャースの先発投手は、5日(同6日)の第1戦に先発し3回5失点で降板した山本、第2戦先発で6回途中90球4失点だったジャック・フラハティ投手、リリーフ投手を小刻みにつなぐ“ブルペンデー”とする――といった選択肢が考えられる。「仮に山本が先発すれば、第1戦でいまひとつだったフォーシームのコントロールが鍵になると思います。いいコースに決まれば、スプリットもより効果的になります」と指摘する。
「誰が先発するにせよ、投げるのは長くても5回くらいまででしょう。それほど点差がつかないまま、後半のブルペン勝負となる可能性が高いと思います」というのが新井氏の見立てだ。先発投手は、いかに有利な状況でリリーフ陣へバトンを渡せるかが鍵になりそうだ。
全米注目のナ・リーグ地区シリーズで大谷、山本、ダルビッシュ、松井裕樹投手が一堂に会し、いよいよ白黒をつけようとしている。日本のファンにとっても“ヒリヒリする試合”となる。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)