大谷翔平、驚異の勝負強さの舞台裏 下位打線に生まれる“一体感”「ショウヘイにつなげ」
9番・エドマンは犠打、右前適時打と躍動「必要な状況ならバントする」
【MLB】ドジャース 9ー0 メッツ(日本時間14日・ロサンゼルス)
ドジャース下位打線の合言葉は「ショウヘイにつなげ」だ。ドジャース・大谷翔平投手は13日(日本時間14日)、本拠地で行われたメッツとのリーグ優勝決定シリーズ第1戦で4打数2安打1打点をマーク。チームの9得点大勝に貢献したが、欠かせないのが7番から9番までの下位打線の活躍だ。
大谷は2点リードの2回1死二塁、千賀から右前適時打。先頭・ラックスの四球、9番・エドマンの送りバントで作ったチャンスを逃さなかった。今年7月末に加入したエドマンは今季37試合出場で犠打はゼロだったが、バントのサインに迷いはなかった。
「必要な状況ならバントする。理にかなっていたと思う。ショウヘイが打席に立つから二塁に走者を進めたかった。うまくいったね。プレーオフでは1つのプレーが大きな違いを生むことがある。ああいう場面で決められたのは、大きかった」
試合の流れをグッと引き寄せるタイムリーにつながり、WBC韓国代表は安堵の表情を浮かべた。
大谷はポストシーズンでも無類の勝負強さが光る。ポストシーズン6安打は全て走者がいる場面で放ったもので、得点圏では5打数4安打。レギュラーシーズンを含めると直近の得点圏20打席で19打数16安打の打率.842と驚異的な勝負強さとなっている。2回先頭で四球を選んだラックスの頭にも入っていたようだ。
「ショウヘイには得点圏で打席に立ってもらいたい。走者を返したい気持ちでいると思うけど、アプローチに違いはないと思う。走者がいれば、仕事をしてくれるから、オレら下位打線はいろんな方法で出塁しないといけないね」
大事なシリーズ初戦、7番のエンリケ・ヘルナンデスは4打数2安打を記録。ラックスは1打数無安打も1四球に送りバントを決め、エドマンは3打数1安打1打点をマークした。4回の右前適時打、送りバントと効果的な働きだった。下位打線3人で計9打数3安打4出塁、送りバント2つと上々の活躍。エドマンは言う。
「上位打線を打つビックボーイズのショウヘイ、ムーキー(ベッツ)のために出塁するのが、オレたちの目標だ!」
地区シリーズまで主に9番を打っていたミゲル・ロハスがシリーズの登録メンバーから外れている。シーズン序盤はなかなか結果を出せなかった下位打線トリオが、勝負の10月に結果を出している。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)