大谷翔平「やっと来たな」 目標設定12年後にたどり着いた夢舞台…結婚とのW達成も

メッツ戦に出場したドジャース・大谷翔平【写真:Getty Images】
メッツ戦に出場したドジャース・大谷翔平【写真:Getty Images】

リーグ優勝決定シリーズで打率.364、2本塁打、OPS1.184と躍動「チームに流れを」

【MLB】ドジャース 10ー5 メッツ(日本時間21日・ロサンゼルス)

 シャンパン、バドワイザーのビールが乱れ飛ぶ。歓喜にわくドジャースのクラブハウス。ドジャース・大谷翔平は巨大なゴーグルを外し、勝者の美酒に酔いしれた。メジャー7年目で初のポストシーズン。7勝を積み上げ、ワールドシリーズまで上り詰めた。

「やっと来たなというか。ここまでも苦しい試合も多かったですし、全員でつかみ取ったゲームが多かったなと思います」

 勝てば4年ぶりのワールドシリーズ制覇が決まる大一番。打線に牽引した。初回先頭で4試合連続安打となる中前打を放って出塁。第2戦で3打数無安打と苦戦した変則左腕マネイアから快音を飛ばし、エドマンの先制2点二塁打を演出した。6回無死一、二塁の中前適時打で追加点。8回無死一塁の四球を選び、シリーズ17出塁のポストシーズン球団新記録も樹立した。

「なかなか自分の思い通りにいくチャンス自体が少ないのではないかと思っていましたけど、先頭打者として、しっかりとチームに流れを戻せるような仕事がしたいと思っていた」

 メッツとのリーグ優勝決定シリーズ6試合で22打数8安打の打率.364、2本塁打、6打点、OPS1.184。9四球、9得点、出塁率.548と1番打者として十分すぎる活躍だった。

「ワールドシリーズ優勝」と「結婚」

 ずっと思い描いた夢の舞台だ。花巻東時代に作成した人生設計シートにはメジャー入団、サイ・ヤング賞など年齢ごとに記されているが、当時の計画で「ワールドシリーズ優勝」と出てくるのは26歳。しかも26歳の家庭面の目標として「結婚」とはっきり立てられている。4年遅れとなったが、ダブル達成の可能性も十分だ。

「ここを目指して、もちろんやっていましたし、そうなるように望んでやっていましたけど。楽に来られたわけでもない」

 びしょ濡れのTシャツのまま会見に臨んだが、言葉の端々に実感がこもった。

 少年時代に憧れた松井秀喜がワールドシリーズMVPに輝いた2009年は、まだ中学3年生だった。「試合を生では見てはいないですね。MVPを取られたのはもちろん知っていますし、ハイライトを何回も見たこともありますけど」と振り返る。ア・リーグ本塁打王のアーロン・ジャッジが牽引するヤンキースとの頂上決戦は、全米注目のシリーズとなる。

「素晴らしいチームですし、強いチームなので。自分たちの野球をしっかりと。今日は今日で喜んでいいと思うので。また切り替えて。アウェーはアウェーで盛り上がると思うので、楽しみにしていきたいと思います」

 メジャー史上最高額、10年7億ドル(当時1014億円)と鳴り物入りで加入。真美子夫人との結婚、前通訳の水原一平被告の裏切り、前人未到の「54本塁打&59盗塁(54-59)」と記憶にも記録にも刻まれる活躍を見せてきた。

「全員が一生懸命やることをやって、ここまで来られたので、最後のシリーズ、自分たちの野球を貫き通せば、最高の1年になるんじゃないかなと思っています」

 悲願の世界一まで、あと4勝。激動の1年を一気に駆け抜ける。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY