引退試合ができず「本当に申し訳ない」 巨人の“心残り”…36歳に用意した精一杯の花道

23日の引退会見に出席した巨人・梶谷隆幸【写真:松本洸】
23日の引退会見に出席した巨人・梶谷隆幸【写真:松本洸】

巨人・梶谷隆幸が23日に引退会見を行った

 巨人・梶谷隆幸外野手が23日に東京都内で引退会見を行った。テレビカメラ7台、約50人の報道陣が見守るなか、清々しい表情で18年の現役生活を振り返った。会見のラストは同世代の坂本勇人内野手をはじめ、菅野智之投手ら11人もの同僚がサプライズ登場。異例の“豪華”な引退会見の背景には、巨人の「チームとして心残り」との配慮があった。

 会見に先立ち、吉村禎章編成本部長国際担当兼国際部長が姿を見せ、会見に至った経緯を説明した。梶谷自身から引退決意の連絡が来たのは前日22日。会見前には球団事務所で挨拶を受けたという。

「チームとしてはポストシーズンを戦ってきた中で、本当に申し訳ないというか、ユニホームを着て最後、現役最後の打席だったりというところを準備できなかったのは、すごくチームとして心残りでした。できることはこういうこと(引退会見)かなと、この場をセッティングさせていただきました」

 梶谷はすでに夏頃には今季限りでの引退を考えていた。チームは激しいペナントレースを展開している時期。9月28日にリーグ優勝を決めたものの、クライマックスシリーズ(CS)へ向けての真剣勝負は続いていた。梶谷は自身の“決断”を球団に伝えるのは控えていたのだろう。

 球団への報告はCSに敗退した翌22日となった。それゆえに従来、球界の功労者に用意されるようなファンが見守る中での“プロ最終打席”に立つことはできなかった。

 だからこそ巨人軍はFAで加入した梶谷に対し、最大限の“花道”を用意した。坂本、菅野のほか小林誠司、大城卓三両捕手、門脇誠内野手、長野久義、佐々木俊輔、浅野翔吾、重信慎之介、立岡宗一郎、オコエ瑠偉の6外野手がサプライズ登場。計11人が駆けつけると、梶谷は嬉しそうな笑顔をみせた。豪華な記念撮影では報道陣からも自然と拍手が沸き起こっていた。

「なかなか自分が思い描いたようにはいかなったんですけど、本当に移籍して良かったなと心から思いますし、素晴らしい仲間に出会えて一生の財産を得たなと思っております」。18年間のプロ野球人生にやり残しはないと言い切った。感謝と感激に溢れた24分間だった。

(湯浅大 / Dai Yuasa)

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