大谷翔平の復帰を「信じて疑わなかった」 同僚は誰も驚きなし…第3戦出場の舞台裏
ラックスらがコメント「彼が打線に入る度に、私たちに自信を与えてくれる」
【MLB】ドジャース 4ー2 ヤンキース(日本時間29日・ニューヨーク)
ラインナップに載った名前にチームメートは驚かなかった。ドジャースの大谷翔平投手は28日(日本時間29日)、敵地・ヤンキースとのワールドシリーズ第3戦に「1番・指名打者」で先発出場し、2出塁で勝利に貢献した。左肩を負傷しながらの強行出場だったが、ギャビン・ラックス内野手は「出場できると全員が信じて疑わなかった」と確信していた。
本調子のスイングではないように見えた。初回の第1打席は一度もスイングせずに四球。第2打席は二ゴロだった。第3打席は空振り三振でスイングをした際に顔を歪めることもあった。それでも最後まで試合に出場し続け、2出塁で貢献した。
大谷は26日(同27日)に本拠地・ドジャースタジアムで行われた第2戦で盗塁を企図した際に左肩を亜脱臼。出場が危ぶまれたが、「チームの士気だけは下げたくない」とチームのグループチャットに「大丈夫だ。試合に出るつもりだ」とメッセージを送っていた。その効果もあってか、チーム内でこの日の出場を驚く選手はいなかった。
ラックスは「彼は散々な目に遭っている。肩を脱臼することは、誰だって楽しいことではない」と怪我の具合を慮った。一方で、「散々な状態でもプレーしている姿を見れば、私たちの心も燃える」はチームにも好影響を与えた。「おそらく50%くらいの状態なのに、トライした彼を評価したい。それでも、彼はショウヘイ・オオタニで、世界で一番の選手だ。彼が打線に入る度に、私たちに自信を与えてくれる」。
チームは大谷の他にフレディ・フリーマン内野手が右足首を捻挫しながら強行出場。第1戦から3試合連発を放ち、チームを引っ張っている。トミー・エドマン内野手は「大きいことだよ。全員が何かしら(の問題を)抱えている。でも、チームの為に全力で戦っている。彼らはチームの為に戦い続ける人たちだ」と評価する。
ヤンキースに3連勝を収め、ワールドシリーズ制覇に王手をかけた。満身創痍でもチームの結束力は高まっている。決して万全な状態とは言えないが、1勝を全力で取りに行く。
(川村虎大 / Kodai Kawamura)