小木田敦也が感謝する比嘉幹貴の言葉 リハビリ中に考えさせられた「やり過ぎじゃないの?」

オリックス・小木田敦也(左)と比嘉幹貴【写真:小池義弘、北野正樹】
オリックス・小木田敦也(左)と比嘉幹貴【写真:小池義弘、北野正樹】

オリックス・小木田敦也「比嘉さんに掛けていただいた言葉は忘れません」

“強者”のマインドを受け継ぐ。オリックス・小木田敦也投手が、今季限りで現役引退した比嘉幹貴投手の「後輩を思う心を伝承する」と誓っている。「比嘉さんに掛けていただいた言葉は忘れません。僕も後輩に伝えていきたいと思います」。上半身のコンディション不良からの復活を目指す小木田が、精悍な顔を引き締めた。

 小木田は秋田県出身。角館高、TDKから2021年ドラフト7位でオリックスに入団。150キロ台のストレートにスライダー、チェンジアップ、ツーシームなどの変化球を武器にロングリリーフをこなし、昨季は38試合に登板。4勝0敗7ホールド、防御率2.19でリーグ3連覇に貢献した。

「最年長の比嘉さんに平野(佳寿)さんがいらっしゃるブルペンは誰が見てもそうだと思うのですが、本当に学ぶところが多いんです。質問したら丁寧に、自分が知りたいことが全部返ってくるので、頼りになりました」

 今季の小木田にとって、比嘉はさらに大きな存在になった。5月4日の日本ハム戦(京セラドーム)まで13試合に登板し、1勝1敗8ホールド、防御率1.38とチームの勝利に貢献していたが、5月6日に右肘を痛めて1軍選手登録を抹消された。7月23日の紅白戦でマウンドに復帰し、8月2日のウエスタン・リーグ阪神戦(杉本商事BS舞洲)で実戦復帰を果たした。

 8月後半の1軍復帰を目指したが、上半身のコンディション不良で再びリハビリに。「今年は(膝痛の)比嘉さんとファームで過ごす時間が多かったのですが、いろいろ心配していただきました。自分は結構、練習をやらなきゃ済まない性格なのですが、そんなときに『やり過ぎじゃないの?』『もうちょっと休んだ方がいいよ』と声を掛けてくださるんです」。さらっと与えてくれる一言が重かった。

 早く戦列に復帰しチームのために働きたいという焦りを見越して、選手個々の性格を熟知した上でのアドバイス。小木田も来季への本格復帰に気持ちを切り替え、リハビリに専念することができたという。「シーズンには間に合いませんでしたが、しっかりと治して準備することができたので、今は投げたいという気持ちでいっぱいです」。来季は元気な姿で、マウンドに立つ姿を比嘉に見てもらう。

○北野正樹(きたの・まさき)大阪府生まれ。読売新聞大阪本社を経て、2020年12月からフリーランス。プロ野球・南海、阪急、巨人、阪神のほか、アマチュア野球やバレーボールなどを担当。1989年シーズンから発足したオリックスの担当記者1期生。関西運動記者クラブ会友。2023年12月からFull-Count編集部の「オリックス取材班」へ。

(北野正樹 / Masaki Kitano)

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